羽生名人,担当記者,観戦記者が語る王将戦裏面史@第35回近鉄将棋まつり

 スポニチ創刊60周年記念・第35回近鉄将棋まつりの4日目,「王将戦回顧録」と題して催されたトークショー。30分ほどの時間ではありましたが,内容充実,十分満足。

http://www.sponichi.co.jp/society/shogi/index.html

 せっかくの「裏面」史ですので,以下に私のメモを少しばかり掲げておくことにします(あくまで個人的なメモをまとめたものであり,全てを再現しようとしたものでは勿論ありません。また,私の手による編集(表現簡潔化・時系列組換えなど)を加え大意を表すべく努めていますが,時には実際に発言されていないにもかかわらず,私が勝手に付加しまっている箇所もあるかもしれません。さらには,私の理解不足や事実誤認なども必ずあるはずです。このように多くの但書がありますので,その旨ご留意されるようお願いいたします。)。なお,敬称は「さん」で統一させていただきます。

  • 名人戦を終えての感想は?」と問われて,羽生善治さん。
    • 「免状に名人として署名をするようになって,実感がわいた。」
    • 「オリンピックのアスリートとは,勝ったときの喜びが違うのではないか。アスリートの喜びは瞬間的・爆発的で,将棋のそれは滲みでるような。」
  • 王将戦は二日制で行われるタイトル戦であるが,途中の昼食休憩などにおいても対局者双方からコメントをいただくようにしている(つまり,「2日目の朝刊に,1日目の戦況判断等に関する対局者自身のコメントを載せる」といった取扱いがなされている。)。スポニチとしては,あえて訊いているとのこと。
    • このことに対して,羽生さん。「スポーツ新聞ならでは。」と笑顔で一言。
  • 記者さん曰く,森内俊之さんが初めて王将戦に登場したとき,最初にコメント取りに伺ったら次のように驚いていたとのこと。
    • 「え,言うんですか?」
  • 羽生さんが3連勝した後に,佐藤康光さんが3連勝して迎えた2006年3月の王将戦第7局。対局場は佐渡島。あいにく天候は大荒れで,通常であれば欠航するような波の高さ(3メートルから4メートルとのこと。)であるにもかかわらず,スケジュールの都合上,その波をこえて佐渡島に向かった船の中。(悠然と)本を読んでいた羽生さんには驚いた,と観戦記者さん。
    • 「でも,佐渡汽船のエース中のエースが操船されるということでしたよね。」と羽生さん。