地方議会傍聴録第1回/京都市会

1.開会まで
 まずは時系列順に。

  • 9:10 一般傍聴券の交付をうける。番号は、NO.71。今回の議会における通し番号? さすがに、10分で70人が傍聴券を求めたということはないでしょう。注意書きが裏にありました。

(裏面)
 退場時に返却してください。
 傍聴される方は、次の事項をお守りください。

  1. 会議の進行の妨げになる行為をしないこと。
  2. 他の傍聴者の迷惑になる行為をしないこと。
  3. 携帯電話その他音の発生する機器の電源を切ること。
  4. 飲食又は喫煙をしないこと。
  5. 録音又は撮影をしないこと。ただし、議長の許可を得たものは、この限りでない。
  • 9:15 1階玄関のところに矢印看板(←どこを指しているのか、よくわからないようなもの)に従い、2階に行き、議場入口らしきところへ。そこに受付があったので、どこから入るのか尋ねるも、そこは議員専用だった模様。さらに受付の方の説明も要領を得ず。というか、人に(私に)説明をしている途中で、議員の先生らしき方が通りがかると、いきなり説明中断して、その方に挨拶(それも中途半端に。)。少し失礼じゃありませんこと? 私が、その先生の強力強大な支援者だったら怒られますよ!? (別に支援者じゃなくとも普通のことだと思いますけどね。)ただ、まあ、あんまり、そうしたことにはこだわりがないので、時間もあるし、「たぶん分かりますから」とお礼をいって、なんとなく教わった感じの議場入口方面へ。
  • 9:20 傍聴券の交付を受けたところから、まっすぐ行った中庭に入口がある模様。未だ開いておらず、「ここが入口」といった看板もでていない。
  • 9:45 ボーッといろんな市政パンフレットに目を通しながら、時間を過ごしていると、ようやく看板設置。しかし、扉は開かれず。
  • 9:50 あれ、10分前なのに、扉は開かないまま。傍聴券を交付してくれたところに行って、「開場はいつになるのでしょうか?」と質問。そこではわからず、内線をかけたうえで、「市会の開会と同時に」とのこと。ということは、10時ちょうどに開くわけ? 警備上の問題? 私を含めて5名が閉じられた扉の前で、待っていた9時59分ごろでした。
  • 10:00 開場。さぁ、行こうかと思いつつ、「今日の議事進行表はありませんの?」と質問。そうすると、すかすかの空白が目立つ、次のようなA4ペーパー1枚をいただきました。

                     平成16年第2回
                      市会定例会
            議 事 日 程
 開議日時 平成16年5月19日(水) 午前10時
            一 般 質 問
(1)市政一般について  ○○ ○○ 議員*1
(2)市政一般について  ○○ ○○ 議員
(3)市政一般について  ○○ ○○ 議員
(4)市政一般について  ○○ ○○ 議員
(5)市政一般について  ○○ ○○ 議員
(6)市政一般について  ○○ ○○ 議員
(7)市政一般について  ○○ ○○ 議員

  • 10:01 いつ終わるのかわからないのか。。それに、それぞれの持ち時間もわからない。それぞれの所属会派もわからない(←代表質問の日なのに。)。質問の概要もわからないのねぇ。まぁ、そんなもんか。。という印象を持ちながら、議場まで階段を登る登る。開会に間に合わへんのんちゃうか? と思いながら、車イスの方は絶対傍聴できひんな! と思いながら、ざっと47段の道のりでした。
  • 10:02ごろ 傍聴席に着いたら、議場にも議員のみなさんが続々と入場しているところ。間に合いました。さて、開会です。


2.傍聴席等の説明
 ここで傍聴席などの説明を。議場は階下にあり、傍聴席は3階からみる感じ。座席数は、80人ぐらい座れる模様。座り心地は悪くないイス。地元テレビ局による中継もあるので、テレビカメラも入っています。傍聴席にも、その中継を写すモニターが1台設置されていました。
 そして、なにより議場がどのように見えるかというと、、、「見えない」んですよ、あんまり。議長と市長、理事者は一段高いところに座っているので、なんとか見えるんですけど、質問者(答弁者)の顔は、普通に座ると手すりとちょうど重なって見えません。さらに、それぞれの議場にいらっしゃる議員のみなさんなんて、最前列ぐらいしか見ることができません。ちょっと後ろのほうを確認しようとすれば、手すりから、ググッと身を乗り出す必要が。これでは、誰が野次ってんのかわかりません。めっちゃおもろい野次がとんだこともあったのに、誰のナイスつっこみかがわからなかったという不満が残った議場のつくりでした。


3.議会傍聴の感想 
 さてさて、何よりも議会を傍聴しての印象を続けて記していきましょう。
 まず一言で言い表そうとすると、「原稿読み」です。質問者も答弁者も基本的に手元にある原稿を読み上げるだけ。時々テレビカメラのほう(?)に顔をあげることはあるかな。私が見た限りで一般傍聴席に視線をあげた質問者及び答弁者は誰一人いませんでした。おひとかた、前列2列目に座っていた議員と1度だけ目が合った気がしますが。
 参考として、ある質問者が「議員のみなさん、理事者のみなさんは、いかがでしょうか?」と問いかけたときがあったのですが、「傍聴されているみなさんはいかがでしょうか?」なんてココで言ってくれたら、それだけでその人に1票入れてしまいかねない気持ちになった私です。
 また「原稿読み」に終始しているから、質問と答弁がスレ違うことも。何より「プレゼンテーション」的な発想は、まずなかったと思います。人間がいちどに記憶できる情報量は多くても7つ程度(マジカルナンバー7)とよくいわれますが、一体いくつの項目について言及しているかわからない質問。
 市政が多岐にわたることは当然のこととして了承できるのですが、単に箇条書きを文章にしたような質問内容では、傍聴しようという気が起こりにくいのも真実ではないでしょうか。論理的な流れで内容が配列されるよう意識された形跡はどこにもなく、このまとめている時点で、コレは印象に残ったなぁという質問内容はありません。
 もし、「プレゼンテーション」的な発想が受け入れにくいのであれば、せめて、「一問一答式」にすることが必要なのではないかとも思ったり。やはり本会議の傍聴よりも、委員会の傍聴がよかったか? と後悔したりもしました。まぁ、セレモニー的な発想があるのかもしれませんね。。
 あと、気になったのは、市会なのに国政の話が数多くでてきたこと。そんなこと市長ほか市の理事者に質問したからって、「政府答弁はこうなっています」的な答弁しかないのが当たり前のような気がするのですが。地方自治法2条2項を知らないのかなーと。

地方自治法(昭和22年法律第67号)第2条第2項
 普通地方公共団体は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるものを処理する。

 いかに関連がある(かもしれない)とはいえ、市民の視線にたった質問内容がないものかと感じた次第です。


 そんなこんなで、午前中は11:45まで。そこから13:00までが休息時間として、議場も閉まります。

  • 13:00 再開。10:00のときと同様の開場方法です。傍聴メンバーは7、8人いるようですが、午前から続いてという方はいらっしゃらないようです(私を除いて。)。午後も、午前と似たような感じで議事は進行。
  • 14:25 一旦、休憩ということで、14:49に再開を宣言して、また閉場。外にでなければなりません。扉も閉められます。
  • 14:49 再開場。とくに興味をひくようなこともなく、議事は進むよ、終わりまで。
  • 16.32 散会。

 以上が、【情トラ】管理人の地方議会傍聴録第1回です。非常にマイナスイメージに記しているようですが、誇張・強調もあります。思ったままを記した点も。淡々と記録してもあまり意味がないような気がしたので、何も考えず、キーボードをたたいた結果が以上です。何せ初傍聴ですから、それも1人でいったから、非常に主観的なレポートになっていると思います。


4.まとめ
 ここから、まとめ的な感想を。
 まず、傍聴に行く前の予想として、質問に立たれる方の後援者が傍聴席に陣取っているものだと思っていましたが、それらしき方々がいらっしゃらなかったことが意外でした。だって議員の晴れ舞台ではないですか? 見てもらいたいのが本心ではないのかな? しかし、平日に1日空き時間をつくるのも難しいでしょうから、あまりない話なのかもしれませんが。
 そして、傍聴録本文にも記したように、全く傍聴者の存在を質問者も答弁者も意識していないこと、これも驚きといえば驚きでした。数が少ないから意識しないといえばそうなのかもしれませんが、議場のつくりがグッと見上げないと傍聴席が見えないことも関係しているのかもしれませんが、一応、納税者であり投票権をもつ者なのですよ。
 と、まあ、傍聴席があるといっても、ぜひともお越しくださいという雰囲気はなかったです。市民として関心をもっている人は来られてもいいですよという雰囲気かな。残念ながら、それはそれで問題だとは言い切れない気もします。これで、70人も80人も毎回傍聴に押しかけてくるのであれば、こうした雰囲気は改善せざるをえないでしょうけど、そうではない現状なのですから。
 しかし、鶏が先か卵が先かという話で、市民が来ないからこれでいいのかという点もあります。こうした点は気づいた人が声を少しでもあげることが必要なのかもしれません。

 第1回はこんなところで。

*1:議員名は、すべて「○○ ○○」と表記しましたが、実際は、きちんとそれぞれに氏名が記載されています。