ヘッド博士の世界塔
最近,また,聴いてる,その2。
山崎 vs. 小沢,その2。
- “なんとか is なになに”っていう一件落着した結論めいたものを今までロックは山ほど提示してきたわけじゃん? で僕らはそれらを一つ一つ聞いて知って納得してる。それなのに次から次へとまたぞろ同じ結論をもっともらしく掲げながら登場してくるという状況があって、それが延々と続く世の中があって。そういう全てに対する“あ〜あ”みたいな、いら立ちみたいなものが2人にはあるんじゃないかと思うんだよ。だからこそ全てに対して“No”しか言わないし、核となる曲に対して何も言えないという今のフリッパーズがあるんじゃないかと。
- ま、だからさ、その……
- いや、ちょっと待って。どうですか? それに対して。
- (笑) そう、そんなものなんですよ。だから“なんとか is なんとか”っていうところへは行けない。でも今回“なんとか is ……”で止めても文章として破綻していないというものを作ったからさ。そこがこのLPのミソなんだよね。“なんとか is ……”で破綻してない。ある! あるんスよ! じゃあ何があるんだ? って言われても……あるんスよ! としか言えない。でもあるんスよ! (笑)
■rockin'on JAPAN 1991年7月号