マニフェストの街頭頒布

 伝統的*1パブリック・フォーラムといえる某交差点にて,某政党(に協力されている学生さんらしき数名)のみなさんが,選挙活動としてのマニフェスト(ビラではなく,パンフレット又は書籍と思われるもの)頒布をされていたのですが。
 「あれ,こんな街頭で頒布してもよかったっけ?」と思い,疑問はすぐに訊いてみるのがいちばんと,早速マニフェストを頒布されている方に直接質問。


 「こういった街頭で,マニフェストを配ってよかったんでしたっけ?」
 「この旗があれば,いいんですよぉ」
 「へー,そうなんですかー」


 あとで確認すると,公職選挙法上の次に掲げる規定が関連してそうですね。

 (パンフレット又は書籍の頒布)
第百四十二条の二 前条第一項及び第四項の規定にかかわらず、衆議院議員の総選挙又は参議院議員通常選挙においては、候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等は、当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の本部において直接発行するパンフレット又は書籍で国政に関する重要政策及びこれを実現するための基本的な方策等を記載したもの又はこれらの要旨等を記載したものとして総務大臣に届け出たそれぞれ一種類のパンフレット又は書籍を、選挙運動のために頒布(散布を除く。)することができる。
2 前項のパンフレット又は書籍は、次に掲げる方法によらなければ、頒布することができない。
 一 当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の選挙事務所内、政党演説会若しくは政党等演説会の会場内又は街頭演説の場所における頒布
 二 当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等に所属する者(参議院名簿登載者を含む。次項において同じ。)である当該衆議院議員の総選挙又は参議院議員通常選挙における公職の候補者の選挙事務所内、個人演説会の会場内又は街頭演説の場所における頒布
3及び4 略

 (街頭演説)
第百六十四条の五 選挙運動のためにする街頭演説(屋内から街頭へ向かつてする演説を含む。以下同じ。)は、次に掲げる場合(衆議院比例代表選出議員の選挙にあつては、第二号に掲げる場合)でなければ、行うことができない。
 一 演説者がその場所にとどまり、次項に規定する標旗を掲げて行う場合
 二 候補者届出政党又は衆議院名簿届出政党等が第百四十一条第二項又は第三項の規定により選挙運動のために使用する自動車又は船舶で停止しているものの車上又は船上及びその周囲で行う場合
2 選挙運動のために前項第一号の規定による街頭演説をしようとする場合には、公職の候補者は、あらかじめ当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会参議院比例代表選出議員の選挙については、中央選挙管理会)の定める様式の標旗の交付を受けなければならない。
3及び4 略

 おそらくは「標旗を掲げて」行う「街頭演説の場所における頒布」という整理をされたのではないか,と。
 あれ,でも,そもそも演説されている方,つまり,「演説者」がいらっしゃらなかったような気が。そうすると「街頭演説の場所における頒布」にならないような気が。それとも「その場にとどまり,…標旗を掲げて行う」のであれば,「マニフェストをお読み下さいー」といった呼びかけも「街頭演説」になるのでしょうか。
 いや,難しい。

*1:二重の意味で