第0回 市民裁判員先行記/【はじめに】/法廷ガイド&初傍聴

【はじめに】
■最近、よくニュースに出てくる用語“裁判員制度”。みなさんは、この意味するところをご存じですか。難しいながらも、市民裁判員を簡単にまとめてみると、
 (1)選挙人名簿から各裁判毎に“無作為”に選ばれた裁判員が、
   ◆誰もが選ばれる可能性があるということです。
 (2)審理(裁判手続)に立ち会い、
   ◆仕事を休んで、裁判所に出向く必要があるかもしれません。
 (3)適切な評議が出来るために証人などへの質問権も有し、
   ◆自らの判断で、疑問を解消しなければなりません。
 (4)裁判官と共に評議を行い有罪無罪の決定を行い、
   ◆有罪無罪という重大な決定に関与するわけです。
 (5)有罪の際の刑の量定も行うこと。
   ◆懲役○年とか、罰金△円とかいった具体的な量定も行うわけです。
  そして、
 (6)(1)から(5)までの評議にあたり裁判官と裁判員の権限が対等であること。
   ◆裁判員は裁判官の補佐役であったり、参考意見をいう人ではないのです。

■と、まとめてみながら、【情トラ】も裁判員制度を、うまくイメージできないままでいます。。
 では、なぜ、具体的なイメージが湧かないのでしょうか?

 それは、何よりも実際の刑事裁判を知らないことが原因だ、と考えています。

■たとえば、
 (1)いつ、どんなスケジュールで行われているのか?
 (2)どこで、どんなところで開かれているのか?
 (3)誰が、何人参加して行われているのか?
 (4)どのようにして、裁判がすすめられているのか?
 (5)なぜ、市民裁判員が必要となるのか??
 といった疑問が次々と生じてくるわけです。

■そこで、試みとして、「【おっかけ情トラ】市民裁判員先行記」を企画しました。
 これは、その名のとおり、【情トラ】が実際に刑事裁判の傍聴に出向き、
  (1)裁判のスケジュールを調べ、
  (2)裁判所内での傍聴手続等を確認し、
  (3)実際に裁判を傍聴しての所感を記し、
  (4)その傍聴する裁判の臨場感を伝えることにより、
  (5)私も含めて、実際に一般市民が市民裁判員になったときのことを考えよう
 という企画です。

■この企画により、裁判員制度に関して、ひとつの参考となるようなレポートを作成することが、裁判員制度への何らかのとっかかりとならないかなぁ〜と考えているところなのです。

■【おっかけ情トラ】とは、刑事裁判の一連の流れを明確な関心をもって「おっかけ」ていこうという意思の表明だと捉えてくださいね。

 ※裁判所に備え付けられていた「法廷ガイド−裁判を傍聴する方々のために−」(以下「ガイド」といいますね。)から次のQ&Aは転載しました。
Q.裁判を傍聴したいのですが、事前申込みなどの手続が必要でしょうか?
A.裁判を傍聴するのに事前申込みなど特別な手続は必要ありません。
 公開の法廷で行われる裁判は、原則として、だれでも傍聴することができますので、どの法廷でも自由にお入りいただいて結構です。ただし、傍聴希望者が大勢いる事件では、傍聴券が必要な場合があります。 なお、法廷の入り口には、裁判の予定表(開廷表)が掲示されていますので、参考にしてください。


 このQ&Aをふまえて、裁判所の受付に備え付けてあった開廷表をチェックして刑事裁判の法廷へ傍聴に行ってきました。
 本日傍聴したのは、(1)公務執行妨害・傷害、(2)詐欺、といった2つの新規案件と、(3)窃盗ほか4つの罪を問われている案件の審理でした。

 これらを傍聴していたのは、事件関係者かなという感じの方々と、どこかの学生が授業の一環で来たのだろうという集団、20名程度。そして、事件に何ら関係ないが傍聴に来たという印象を受けた方1名(手元にはカレンダーを持っておられ、次回期日等を確認されているようでした。)。もちろん私こと【情トラ】管理人も、特に事件に何ら関係ないのですが、【市民裁判員先行記】の趣旨のもと、傍聴にきたというわけです。

 おいおい、【情トラ】HPでまとめていきますが、裁判に関しては、1つ目では「何をやっているのか、全くわからない」という印象でしたが、2つ目、3つ目となると、きちんとした手続ですすめられていることがイヤでもわかるような流れでした。

※ガイドからの転載(一部改変)

 刑事裁判のながれ(罪を犯した疑いで起訴された人が有罪か無罪か、また、有罪であればどういう刑罰を科するかを決めるのが刑事裁判です。)

  • 冒頭手続
    1. 人定質問・・被告人に、裁判官が、その氏名・生年月日・本籍・住所・職業を尋ねる。
    2. 検察官の起訴状朗読
    3. 黙秘権の告知・・今日の法廷では、人定質問のあとにこの告知がなされた記憶があります。
    4. 罪状認否
  • 証拠調べ手続
    1. 検察官の冒頭陳述
    2. 犯罪事実に関する立証
    3. 被告人質問
    4. 情状に関する立証
  • 弁論手続
    1. 検察官の論告・求刑・・証拠調べが終わった後に、検察官が事実や法律の適用などについて述べる最終意見が論告で、刑についての意見が求刑です。
    2. 弁護人の弁論・・弁護人の最終の意見陳述が弁論(最終弁論)です。
    3. 被告人の最終陳述
    4. 弁論終結
  • 判決の宣告

 今日の新案ではこのうち「証拠調べ手続-犯罪事実に関する立証」まで進んでいたようです。それぞれ20分程度の時間でした。
 【情トラ】管理人の印象としては、、、、ホントに「淡々とすすむなぁ」ということ。ほかの感想等については、またオイオイと。