岡山県 石井正弘知事 「一極集中からの脱却〜三海洲立国論」

 全国知事リレー講座。5回目ですね。本日は、石井正弘岡山県知事。岡山県については、“晴れの国”というキャッチフレーズと桃太郎ぐらいしか印象がない【情トラ】管理人でしたが、、、。

(以下、あくまで【情トラ】管理人の個人的なメモです。事実誤認等があればゴメンナサイ)

 まずは、岡山のPRから、ということで、早速でました、“晴れの国岡山”とのお言葉。これは、降水量1ミリ未満の日が全国で最も多いことに由来しているとのこと(単なるイメージからのキャッチフレーズではないのね。)。また、果物王国であり、白桃・マスカット・ピオーネなどが有名。当然、桃太郎に関しても、メインストリートが桃太郎通りだとか、来年開催される国体のメイン会場が桃太郎スタジアムだとかいった話。あと、岡山県出身の有名人としては、古くは宮本武蔵、最近では星野仙一氏の名をあげられていました。
 つづいて、地方分権に関する話を具体例を交えながら。地方が国に対してモノ申すということで、それぞれの独自性を自己主張していかなければならないとのこと。しかし、単独では主張しても、彼我の差というものは埋めがたいこともあるので連携していくことも必要である。例えば、たたかう知事会=全国知事会や中国地方知事会、中四国サミット、地域からIT戦略を考える会(9県が参加)、岐阜・大阪・岡山の3府県で集まったGOOD連合(GIFU、OSAKA、OKAYAMA、district)がある。最後のGOOD連合は、梶原岐阜県知事は旧建設省の先輩、太田大阪府知事は元岡山県副知事ということで集まった。ここに京都府の山田知事も入れてくれと申し込んできたが、その場合、名称をどうしようか?などのネタもありました。
 また、国際貢献条例を策定し、AMDAなどのNGOとも連携していること。さらに施策の方向性としては、情報先進県を目指しているとのことで、岡山情報ハイウェイと名づけた情報網を整備しつつあり、来るべきユビキタス社会実現に備えているといった話がありました。そのほか、2つの条例(産業廃棄物処理税及び森づくり県民税)からなる環境政策税制や県立光量子科学研究所、グリーンバイオ、新世紀夢づくりプランの話なども。さらには、行財政改革については、知事就任時に起債制限比率が全国ワースト1位だったこと(前知事は、(いまは違いますけど、「逐条」で)地方自治関係者にはたいへん有名な方ですよね。)、その改善のため、大規模事業を見直し、職員定数を削減し、最近では、振興局を現在の9つから3or4にする改革を推進。
 そして、市町村合併について。岡山県内では78市町村あるが、現在18の合併法定協議会ができているため、将来的には28程度になる予定。地方自治の時代においては、市町村こそが主役となるべきだが、行財政の基盤が必要であるため市町村合併が求められる。では、都道府県はどうなの?という問いがでてくるのであるが、やっぱり県も変わっていくべき。自立力をもった広域自治体となるため、3つの方法が考えられる。ひとつは都道府県合併、ふたつめは道州制、みっつめは連邦制。このうち合併は、単に合併するだけで国と地方との権限バランスが変わらないのであれば意味がない。連邦制は、国から地方が完全に独立することにつながるため、実現可能性は薄い。道州制こそが目指すべき姿なのではないか。そうしたなかで、中四国が一体となった形での道州制を主張している。その根拠は、まずは全国的にみたときの人口比率。中国と四国が別であれば、他の地域と比べて数がかなり劣ることになるが、一体であれば他の地域と遜色ない数となる。そして瀬戸大橋などの整備により、時間的距離が縮小したことにより、ひとびとの生活圏・経済圏が拡大したことで、中四国を一体とみることが可能。そして、日本海側をアジアへの窓口、太平洋側を東南アジアへの窓口、瀬戸内海はその両方ということで、三海をもった地域という広がりをもてるはず。以上から、三海洲立国論というものを主張し、国と地方のあり方を抜本的に変えようと論じているところである。
※参考 道州制について※
http://www.pref.okayama.jp/kikaku/kikaku/dosyusei_html/


【情トラ】管理人 まとめ
 三海洲立国論については(、詳細が不明ですが)、中国地方・四国地方を一体にみるという視点はあまりなかった視点ではないでしょうか。確かに、交通網の整備などにより生活圏及び経済圏が拡大したことは市町村合併のひとつの根拠となっていることからも、なるほど説得力があるともいえます。しかし、中央集権がダメだといいながらも、市町村合併や振興局削減、中四国地方での道州制といった地域のなかにおける集権を考えているのではないか、と矛盾を感じたりもした【情トラ】管理人です。いや、どのような枠組みで地域の自立を考えるかはいろんな考えがあるでしょうけどね。
 講義のなかで盛んにおっしゃっていた自立力というキーワード、政策・施策のプライオリティ(優先度)は、地域が自己決定するという力が必要で、様々なかたちで模索すればいいというのは同感であり、特に、いろんな県との連携を重視されているのは、よい方策だなぁと思いますね。あとは、トップや幹部だけの連携ではなく、職員の相互交流などまで発展していけば、行政側における道州制のひとつの試金石になるのかもしれませんね。
 そういえば、石井知事に【情トラ】管理人からの提案です。GOOD連合の改名については、『Let’s GO,OK?連合』などはいかがでしょうか。 「,」と「?」が余計かもしれませんが!? (マルチメディア目安箱(=岡山県の県政提案制度のこと)に出してみよーかな?)

※参考
http://osaka.yomiuri.co.jp/chiji/ch40512b.htm