市民裁判員先行記第1回/鳥インフルエンザ感染隠ぺい事件第1回公判

 ホントは、裁判員制度にはアマリ関係がない事件なのですが、全国的にも注目された事件であり、一般市民が裁判傍聴に行くとしたら、こんなときかな?と思ったので、行ってきました「鳥インフルエンザ事件」。あと、報道等によって事前の知識がありますので理解しやすいですし、おそらく3回ぐらい傍聴するだけで流れが全て把握できると思ったことも傍聴のひとつの理由です。

 さて、市民裁判員傍聴記も順をおっていくことにしますか。

 まず、なぜこの日に、この事件の裁判があると知ったのか、について。これは、【情トラ】管理人が京都地方裁判所のサイトをチェックしていたからです。このサイトには、「傍聴券を交付する事件の予定について」というページがあり、世間一般に注目を集める事件の裁判に関して、その期日等が掲載されているのです(※これは、京都地裁に限らず、ほとんど全ての裁判所が情報を公開しています。)。そこで、「家畜伝染病予防法違反」という新聞等でよくみかけた文字を見つけたという次第。あぁ、アレか、と思ってカレンダーにチェックしたわけなのです。そして、前日(6月16日)及び本日には、テレビニュースや新聞で1初公判が開かれるとの報道がなされたことも、付け加えておきましょー。

京都地裁−傍聴券を交付する事件の予定について
http://courtdomino2.courts.go.jp/K_bochoken.nsf/CoverView/HP_C_Kyoto?OpenDocument


■入廷までについて

  • 12:15ごろ 京都地裁に到着。傍聴券交付は先着順なので、もらえるかなぁ、、ざっと見たところ40人ほど並んでいる模様。張り紙をみると、先着74名に交付するとのことなので、大丈夫でしょー。実際の傍聴席は88席あるとのことですが、14席分は報道関係者席に確保しているようです。
  • 13:00 開廷は13:30。それまでズット並びっぱなしです。並んでいる人は少しずつ増えて、、うーん70人ぐらいかな。この間、ナゼ並ばせるのか、ナゼ来た順に傍聴券を交付してくれないのか、(昼ごはんを食べるヒマがなかったので、それをウラミに(笑))疑問に思いつつ、持参していた本を読んでいました。
  • 13:20 結局、80〜90人ぐらい並んだのかな?正確なところはワカリマセン。開廷10分前になって、入廷開始。ちなみに傍聴券はNo.40(←目算バッチリ!)でした。中に入ると、一番前の座席が「司法記者席」となっていて、マスコミでないと座れないことに。しかししかし、40番目に入ったわけですが、特等席の2列目ど真ん中の席を確保できました。他の方々も入廷を済ませ、検事席にも御二方座っている状況で、書記官が内線で連絡。ほどなく裁判官御三方がいらっしゃいまして、法廷の撮影時間。2分間だけ許可されていたよーで、その旨裁判所職員さんの念押しがあって、撮影スタート。シャッターをきる音が絶え間なく聞こえてましたが、そこに職員さんの声。「撮影時間1分経過」、、、、カシャッ、カシャッ、、「1分30秒経過」、、、「残り20秒」、、「残り10秒」、、、ハイっ退廷となりました。ちなみに、チラッと【情トラ】管理人のうしろ姿が公共の電波にのりました(^ー^)
  • 13:30 カメラ等が退廷して、被告人と弁護人が入廷。


■裁判について

  • 最初は、人定質問。被告人に、裁判官が、その氏名・生年月日・住所・本籍を尋ね、さらに法人の名称・所在地なども確認されていました。そして、黙秘権の告知も(おそらくこのときに)なされました。
  • 続いて、検察官の起訴状朗読。家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)第13条第1項違反なのですね。あと、ちょっと条項がききとれなかったのですが、関係するのは、、同法64条第2号及び第66条(?)並びに刑法(明治40年法律第45号)第60条だと思われます。

<参考>

家畜伝染病予防法(昭和26年5月31日法律第166号)

第13条 家畜が患畜又は疑似患畜となつたことを発見したときは、当該家畜を診断し、又はその死体を検案した獣医師(獣医師による診断又は検案を受けていない家畜又はその死体についてはその所有者)は、農林水産省令で定める手続に従い、遅滞なく、当該家畜又はその死体の所在地を管轄する都道府県知事にその旨を届け出なければならない。ただし、鉄道、軌道、自動車、船舶又は航空機により運送業者が運送中の家畜については、当該家畜の所有者がなすべき届出は、その者が遅滞なくその届出をすることができる場合を除き、運送業者がしなければならない。
2〜5 略

第64条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
 一 略
 二 第13条第1項(第62条第1項において準用する場合を含む。)の規定に違反した所有者
 三及び四 略

第66条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。


刑法(明治40年4月24日法律第45号)

第60条 2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

  • そして、罪状認否です。裁判長から「いまの起訴事実に間違いはありませんか」という旨の質問があり、それに対し、被告人は「いえ、ございません。」と回答されました。弁護人も「被告人に同じです。」とのこと。ここでマスコミの方々何名かが急いで退廷していきましたが、、バタバタして行かなくても、、ねぇ? 被告人も何事かと視線を向けているぐらいでしたよ。
  • その後は、検察官の冒頭陳述ということで、証拠の提出のため、その証拠内容の要旨を説明。甲号証(=検察官が請求する証拠のうち、目撃者や被害者の供述調書等を指します。)が132号まで、乙号証(=被告人自身の供述調書等を指します。)が17号まであるようでした。これらの証拠について取り調べることを被告人側が「同意」して、提出されたところでおおよそ本日の裁判は閉廷の雰囲気です。
  • 最後に、次回について被告人質問や弁護人弁論にどれほどの時間が必要かなどを確認しつつ、期日を7月23日(金)13:30から、場所は同じ法廷で、ということを決めて、本日は閉廷。

■【情トラ】管理人まとめ
 まあ、タンタンとすすみますね、裁判っちゅーものは。しかし、次回は被告人質問もありますので、今回よりもただ新聞を読んだりテレビをみたりするだけではわからない何かに触れることが多いかもしれません。と、この市民裁判員傍聴記第1回も、とりあえずはタンタンと終わることにいたしましょー。また次回ということで。