市民裁判員先行記第2回/鳥インフルエンザ感染隠ぺい事件第2回公判
京都地裁のサイトの記載が誤っていたせいで、鳥インフルエンザ事件は、開廷から1時間遅れで聴き始めることに。本日の傍聴人は、定数よりも少なかったようですね。
■裁判について
- 14:30ごろに京都地裁到着。アレッ、並んでない。。もー始まってるや〜ん!?
- 傍聴できたのは、弁護人による被告人質問のホントに最後の部分。何と言っているのか把握できませんでした。。。
- 続いて、検察官の被告人質問。おおよそ次のような問答でした(あくまで【情トラ】の個人的なメモですので、事実誤認等あるかもしれませんし、表現も【情トラ】のアイマイな記憶によるものを、さらに簡略化していますよっ。)。
- 「はじめて鳥インフルエンザのことを知ったのは?」「入社前の研修でアメリカの発症例を学んだ。」
- 「そのほかに鳥インフルエンザについて知る機会はあったか?」「山口県で発生したときに、家畜保健衛生所からパンフレットが送付されてきた。」
- 「どのような症状を起こすか知っていたか?」「具体例は知っていた。」
- 「死亡率については?」「高い。」
- 「感染力は?」「強い。」
- 「社員への周知はどのように行ったか?」「会議でパンフレットをコピーしたものを渡した。」
- 「他の例のニュース等を見聞きしてどう思っていたか?」「危機感は持っていた。」
- 「いざ鶏の死亡数が増えてきて、獣医の診断を受けなかったのか?」「しなかった。」
- 「なぜか?」「鳥インフルエンザであるとわかるのが怖かった。」
- 「従業員に獣医など専門知識を有している者はいるか?」「いない。」
- 「そうであれば届出義務を怠り、責任を果たさなかったということか?」「そうです。」
- 「常務からの進言を受けて、なぜ、何もしなかったか?」「取引がなくなり、倒産してしまうという思いがあった。」
- 「自分のところから拡大するのではという気持ちはなかったか?」「自分のところだけで頭がいっぱいだった。」
- 「同じ結果(=倒産)になるとしても、なぜ法律を守らなかったのか?」「悪あがきをしていたのかもしれない。」
- 「食品業者として大事なことは?」「安全性の確保である。」
- 「風評被害を受けた他の業者にはどのような気持ちでいるか?」「たいへん申し訳なく思っています。」
- 「事件が起こるまで、消費者にはどのような評価を受けていたのか?」「リピーターもついていたので、評価していただいていたと思う。」
- 「それに対する信頼は?」「裏切ったと思う。大変申し訳ない。」
- 「経営方針はどのようなものだったか?」「会社に張り紙をしていたが、法令を遵守するという一文はぬけていた。」
- 「日報の書き換えをしたことは偽装工作といわれても仕方がないのでは?」「そうです。」
- 「従業員に対してはどう思っているか?」「申し訳ない。」
- 「損害賠償についてはどうするのか?」「原資がないので実質的には不可能である。」
などなど、このほかにも様々な問答がありましたが、メモしたのは以上ぐらい。そもそも当初から罪は認めているので、基本的には確認するようにながれていった印象でした。
- 論告・求刑は次のとおり。
- 浅田被告に懲役1年。浅田農産に罰金50万円。
- そして最終弁論は、次のとおり。
- 今回の事件に関しては、行政の失態、防疫態勢の不備という面もある。たとえば、ワクチンの使用を認めないなどの施策、発症したことを届出したからといって国は補償をしないため、負債を抱え倒産するしかないという仕組み、これらにより期待可能性が乏しいといえるのである。
- 最後に、次回は判決ということで、期日を8月10日(火)9:45から、場所は同じ法廷で、ということを決めて、本日は閉廷。
■【情トラ】管理人まとめ
何より遅れてしまったので、弁護人質問を聴けなかったのがクヤシイ限り。そのほかは、実質的に争っているところはなかったので、事件をきちんと流れにそって確認していき、被告人のいわば「自己中心」的な考えからの行動とその背景を明らかにしようという内容でした。うーん、判決も、おおよそ予想がつくものなのでしょうねぇ。