国際セミナー「アメリカ連邦制における州政府の役割 −州は独立国か−」

 同志社大学法科大学院 国際セミナー/公開講義を聴講してきました。講師は、Ms. Gwynn Swinson (ノースカロライナ州知事補佐官)です。
 公開講義といいながら、実際は、同志社ロースクールの学生さんの授業がフツーに行われているなかで、モグリで講義を聴いていたかのような気がしましたけれど。。 講義内容のほうは、まさに州政府の中枢におられる方のお話でしたので(、個人的にはもう少し聴きたかったトコロもあったのですが)、日本との比較を考えながらイロイロと得るものが多く、有意義なものでした。話は違いますけど、あの校舎と教室も、キレイですし、めちゃベンキョーしやすそうな感じで好印象かな。

※注※ 以下はあくまで【情トラ】の個人的なメモをカンタンにまとめたです。私の理解不足や事実誤認などもあるかもしれませんよ。

    • 合衆国政府の役割は、憲法に明示されたものに限られるのに対し、州政府の役割は、その合衆国政府が果たす役割以外すべてを留保されるとのこと。その州の予算は、60%は自主財源であって州議会を通じて使い道を決め、40%は国からの補助等(例えば、テロ対策やエネルギー問題に関するものなど)となっている。
    • 知事のもとには、10人の直属の閣僚がおり、それぞれに担当分野が割り振られている。Ms. Gwynn Swinsonの担当のなかで、先般、訴訟が起こされたという。その内容は、州管理の建物の清掃に関する契約を、あるマイノリティが経営する会社と締結していたのであるが、その仕事内容が満足できるものではなかったために、解除するに至ったところ、その解除が不当なものとして提起された。マイノリティに対する差別は厳然として存在している現実もあり、今回の事案は単に法的問題を解決するだけではなく、パブリックオピニオンにも配慮した政治的解決もはからなければならないと考えている。なお、契約の解除自体は、十分な調査及び事実の積み重ねを経た結果に基づいて行っており、訴訟上は何ら問題ないと判断したうえでのものであるとのこと。
    • マイノリティのために州の仕事を優先して発注するなどの措置は、明確に禁止されているところであるが、やはりコモンセンスとしてマイノリティが排除されないような配慮は行っている。
    • 近年、国が財源を保証しないままに、州に仕事を義務付けてくる傾向があり、憂慮しているところである。
    • 州と州との関係は、「礼譲」が原則であるが、実際は、経済活動における競争が激しく、企業誘致合戦という現実がある。また、協調関係をとるかどうかは、それぞれの知事のパーソナリティによるところが大きいという特徴がある。
  • 【情トラ】まとめ

 ところどころではありますけど、何となくアメリカの州と日本の都道府県には、まったく別物かなーって印象があったのですけど、話を聴いたかぎりでは、似通っているところも多いように感じた【情トラ】なのですが、ホントにその感じたトコロは正しいのかな??
 うーん、時間をとって、アメリカの州政府について、ちょっと勉強してみないといけないかな。。。
(以下はメモ)

      • 州と業者との契約解除に係る訴訟は、あくまで州を被告としたものなのか? その場合、州知事や州の閣僚の訴訟上の立場はどうなっているのか?(例えば、解除が不当となった場合、その解除の決定を下した責任者に損害賠償義務が発生したりするのか、などなど。)
      • 州政府が当事者となる訴訟に対して、州議会の関与はあるのか?
      • アメリカにも全国知事会があるそうだが、その役割や実際の影響力はどんなものであるのか?