身につくロースクール/準備編2

 【情トラ】の“みにつくロースク”。
 2回目のエントリは、法科大学院入試に向けて、【情トラ】が気をつけたことなど。「小論文」編です。
※なお、特に注意しますが、以下は【情トラ】の個人的な考えです。モチロン誰にでもオススメできる考え方ではないはずですので。そして、【情トラ】が以下の全てを実践していたわけでもアリマセンので。ひとつのご参考までに。

  • 小論文について

■基本的な勉強方法について
 やはり、これもまた適性試験と同様に、過去問の検討こそが王道であり、近道であるのではないかと思います。まずは、これらをきちんと検討することが必要でしょー。
 どのような検討をするかというと、小論文でも、とりあえずは、過去問を「(1)時間を計って解いてみる」こと。そして、過去問が「(2)どのような問題であるのか」ということ。それから、過去問に「(3)どの程度対応できるのか」ということ。これらを把握しない限りは、先には進めないのではないでしょうか。

 (1)については、そもそも、自分が「何分で何字書けるのか」を知っている人は少ないでしょう。それと、長い長い資料文を読ませたうえで論じさせる問題を出すところが数多くあります。このような問題の場合、如何に「速く的確に、文章の趣旨/構造を把握できるか」ということが大切になると思います。こうした基本的なことから始まる「時間配分をどうするか」という問題は、ヒジョーに大きく、この時間管理ができなければ、何も論じることができないまま、終了時間を迎えるっつーことにもなりかねません。
 きちんと問題文を読み、理解して、求められた字数で論じることができるかどうか。「慣れ」という側面もあるかもしれませんが、一度だけでも「10分間で何字書けるか数えてみる」など、意識的に考えて損はないと思いますよ。

 次に、(2)については、「どのような問題であるのか」といった場合に、出題された問題の資料文の出典ジャンル等に注目して、「資料文の出典が新聞記事だから、新聞を毎日読まねば」とか、「社会科学系の新書を読んでおかないと」などといったことを思いつきそうなのですけど、、イヤイヤそうではなくって、まさに「問題」がどう出されているかということを検討しないといけないと思います。
 具体的に、北海道大学法科大学院/平成16年度入試の小論文問題をみてみると、、、

    • 問題1「『著者』は、○○と△△とは、どこに違いがあり、なぜそのような違いが生ずると考えているか。」
    • 問題2「今後、□□にむけて▽▽と◇◇の関係はどうあるべきか、『あなた』の考えを述べなさい。」

 この問題に対して、問題1で『あなた』の考えを述べたらダメですし、問題2に『著者』の考えとか、一般的にこのように考えられているなどといった解答をしてはダメなわけですよね。
 よく小論文というと、何らか自らの意見(=「イイタイコト」)を論じる必要がありそうな気がするのですけど、基本的には、出題者が「キキタイコト」は何か、「イワセタイコト」は何かを把握したうえで、その「イワセタイコト」について論じる必要があるのではないかと考えます。それらを把握するのは、資料文ではなく、まさに問題文にこそあります。そういう意味で、「問題」がどう出されているかの検討が必要だと考えるわけです。やはり問題を出すにあたっては、出題者の意図というものがあるはずです。資料文の読解にばかり引きずられて、問題に解答するという基本を忘れてはダメなのではないでしょうか。 
 なお、モチロンそれぞれの志望校によっては、「『イイタイコト』を上手くまとめなさい」という問題を出して、特に「イワセタイコト」のヒントが示されていない場合もあります。それはそれで、そういう「問題」が出されているのだと認識して、対策すればヨイということなのではないでしょうか。

 最後に、(3)については、過去問は1回解くだけではなく、2回、3回と解いてみたほーがよいのではないかと考えます。なぜなら、1回目に解答を作成したあと、時間をあけて2回目の解答を作成してみると、まったく異なる論文が出来上がることがあります。何を書いたかなぁ〜なんて思ったりしながら。これは、もうダメ、ですよね?
 1回目も2回目も単なる思い付きで書いたから、ゼンゼン違ったものができたんちゃうんか、って感じがします。やっぱり、資料文の論理構造が把握できていると、解答もキチンとした論理構造をもった文章ができるのではないでしょうか。そして、そうした論理構造がわかっていれば、1回目の解答と比較して、再現性が高い2回目、3回目の解答ができると思うトコロです。 


■問題演習について
 すでに全てのロースクールの出題をあわせて100題以上の過去問があるわけですから、これらを志望校の傾向にあわせてつぶしていけばヨイのではないかと思います。あとは、ロースクール入試過去問だけではなく、大学学部入試の過去問も解いてみてはいかがでしょうか。おおよそ似たような問題が出題されていると思いますし、過去問もロースクールと違って長年の蓄積がありますしね。
 また、問題を解くときのことですが、手書きは、時間もかかるし、書き直しも面倒くさい、管理だってしにくいとゆーことで、【情トラ】は、基本的にパソコンにて作成/管理していました。時間はそれほどかからないし、書き直しはコピペを活用できるし、キーワードによる検索だってできるわけで。全てではありませんが、【情トラ】は、自ら作成した解答例の一部を、この附゛録゛にUpしちゃってまする。(あくまで)ご参考まで。
【情トラ】小論文ノート2004


■その他
 その他といったら、イロイロあるのですけど、うーーん、参考図書を1冊だけご紹介。適性試験対策で評判の次に掲げる本ですけど、【情トラ】はどちらかというと文章を書くときにおける重要な指摘がタクサン示されていると思います。
論理トレーニング (哲学教科書シリーズ) 論理トレーニング (哲学教科書シリーズ)野矢茂樹
 いきなり1ページ目に書いてあった「心がけ」は、ナルホドって思うと同時に、実にカンタンに実践できることなので、試されてみてはいかがでしょーか。

自分で議論を構成するときに、意識的に接続表現を多用すること。