文化力による京都活性化推進条例(仮称)制定に係る府民意見交換会

 平成17年8月1日(月)から8月31日(水)までの期間で、パブリックコメントを実施している案件に関する府民意見交換会とやらが開催とのことでしたので、参加してきました。
 パブリックコメントにて意見を募集する際にも、単にネット上などに資料を掲載すればよいというわけではなく、内容によっては、このような機会を設けたほうがよいことは確かでしょうし、おそらくは試行錯誤の段階かなと思いつつも、現状を確認するという意味合いも強くあっての参加です。
 (本日の会だけに限定したうえで)結論から言えば、『意見交換』会というには、まだまだほど遠い段階かなーという印象。条例検討委員会委員の方々が4名来られて、パネルディスカッションを行い、どのような思いでこの条例を制定しようとしているのかという説明を行っているに過ぎず、『内容説明』会という実質でした。そもそも、式次第中『意見交換』の時間が、90分中15分しか確保されていないのですから、意見交換になりようがないわけですよねぇ。
 また、その15分の間においても、挙手された府民の方々からのご意見は、『文化力による京都活性化推進条例(仮称)制定に係る意見』ではなく、いわゆる『行政に対する不平不満』というご意見*1が大半を占めており、このような会における「マナー」の醸成はまだまだ途上なのであることよ、などと思った次第。これならば、たとえば「発言は1分以内で簡潔に」等といった「ルール」を予め提示しておいたほうが、より建設的な『意見交換』ができたのではないかと思ったり、思わなかったり。
 その他にも思うところは多々ありまして、個人的には、会場に集っての『意見交換』会の現状とは、マダマダこのあたりかと確認できたわけではあります。


 しかし、この『意見交換』会も、何もこの会場においてだけしか意見を表明できないわけではなく、本日の会の内容をふまえて、8月31日までにパブリックコメント制度に則って、意見を提出すればヨイわけなのですよね。そのことを鑑みると、本日の『内容説明』会も、実質的には『意見交換』会となりうる*2わけでして、とくに、今回の「文化力による京都活性化推進条例(仮称)」などは、「文化力」って何? ってトコロからはじめないとならないモノ。さらに、他に例がないいわゆる独自条例とのことでしたので、本会が開催された意義は、その『内容説明』ということにあるのでしょう。かく言う私も、この会に参加してはじめて、「文化力」という言葉を用いた意図を理解できたわけでして。


※以下は、『文化力による京都活性化推進条例(仮称)制定に係る府民意見交換会』における【情トラ】の個人的なメモ。

    • 今回の条例は、「文化振興のための条例」ではなく、「(京都は既存の文化が豊富にあるからこそ、それらの)文化によって何らかを達成しよう(=京都の社会的経済的活性化)とする条例」である。
    • 京都‘府’は、府下各市町村の“文化”をつなげて、“文化力”にする役割を有する。たとえば、洛中の人は洛外のことを知らないが、洛外の人は洛中のことを知っているというギャップを埋める役割があるのではないか。
    • 東山にあるカバン屋の話*3として、東山だけではなく、四条や東京に支店を出せばよいのにという声に対して、出すならロンドンやという心意気。

*1:私はそのように理解しました。

*2:あくまで「なりうる」としたのは、パブリックコメントに意見提出しない限りは、やはり単なる『内容説明』会にしかならないと思われるからです。

*3:一澤帆布のことでしょう。