法政策分析/法制度の設計
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- 中里実「国家目的実現のための手法」南博方・関哲夫・鈴木庸夫編『行政紛争処理の法理と課題―市原昌三郎先生古稀記念論集』(法学書院・1993年)pp.47-67
- 平井宜雄「法政策学の構想」、「法政策学の技法」平井宜雄『法政策学―法制度設計の理論と技法』(有斐閣・1995年)pp.1-10、165-191
- 高橋滋「法と政策の枠組み−行政法の立場から」『岩波講座 現代の法〈4〉政策と法』(岩波書店・1998年)pp.3-32
<個人的メモ>
- 行政法学から政策法学へ
- 従来、「行政機関の行為を、裁判の場でどう判断するか」を中心に、行政法学は議論を重ねてきた。
- そのため、そもそも「裁判の対象となるかどうか」ということがまず問題となる。
- そして、「裁判官は、行政機関の行為をいかに評価すべきか」という個別具体的かつ事後的な視点しかなかった。
- しかし行政の役割の拡大(肥大)化の結果、望ましい社会状態を実現するための法を要請する動きがでてきた。
- いわゆる公私関係だけではなく、私人間にも反映されうる法設計が必要とされるようになる。
- そこから、「国家は、私人間の紛争解決サービスとして司法を提供している」といった発想をおしすすめ、私法/私法を中心に政策を考えていくものが、政策法学である。
- 法的課題に関する政策的思考/政策的課題に関する法的思考
- 何らかの事件抑止のために考えられる対策には、何も純粋に政策的なものだけではなく、抑止効果をもたせるような目的手段思考に基づく訴訟判決(法的判断)もありうる。たとえば、罰の厳しい認定や莫大な損害賠償責任の認定などが考えられる。
- また、純粋な政策であっても、そこには法的発想が入り込むこともありうる。たとえば、規制を設ける際における憲法的価値への必要不可欠な配慮などが考えられる。