法政策分析/日本の政策実施過程

<個人的memo>

  • 法の執行過程おける障害物
    • 行政機関は、法に与えられた権限を使わずにすませ、インフォーマルな手段を用いる傾向がみられる。
    • つまり、現場には様々な障害物が存在しており、法の規定を読んだだけではわからないような大きな権限・裁量権がある行政機関は、それら障害物の存在ゆえに法を「過少執行」しているとみられるのである。
    • これは、現場を知らない立法を、現場に合わせた執行で工夫するという態度なのかもしれない。
  • 法の執行に係る説明責任
    • もし、立法者が執行者の裁量を認めないような詳細な基準を作成したとしても、リソース上その執行の監視は不可能であるし、また、そもそも現場の判断・裁量に委ねる必要性は認めざるをえないのである。
    • ただし、裁量権の濫用または不適切な現場判断の結果、立法目的の無意味化が生じてしまうことは避けなければならない。
    • そこで、執行者自身が法の執行に係る情報開示ないし事後評価を導入し、立法者及び執行対象となる住民への説明責任が果たされるべきといえよう。「ひとつの方向として、行政執行活動の実態を市民に開示して、現状を議論することを通じてあるべき方向性が探られるという対応が考えられる。」「市民に説明できないような内容の執行ならその合理性を疑われても仕方ない。こうした運用を保証する制度が整備されるべきであろう」(北村喜宣『行政執行過程と自治体』p.274)。