第48回 関西公共政策研究会

 久々に都合がついたこともあり、報告テーマが興味深かったこともあり、参加。いずれもたいへん有意義な報告をうかがいました。以下は、私の個人的理解(もちろん誤解もあるかも)に基づくメモ。その旨ご留意ください。

  • 報告1:『地域の国際化が持つ今日的意味と課題』
    • 地域における国際化とは、従来は外国文化の受入れに過ぎなかったものが、いわゆる人権擁護団体などからの声もあって「内なる国際化」がキーワードに。そして、今後はたとえば新たな外国人労働者の受入れなどが喫緊の検討課題に。
    • そうした課題に対しては、地域における議論が必要であるはずであって、徐々なる合意形成が求められるのではないか。
    • 「都市」にとっての「外国人受入れ増」の意味するところは、人口純増であり、また、受入れ外国人の住宅問題をはじめとした様々なインフラ整備の必要と、それに伴う住民の負担増ではないか。外国人受入れにメリットがあるとしても、必ずタイムラグは生じるはずである。
    • 「受入れ数」によりとらなければならない施策が異なるのではないか、また、政策主体の違いも出てくることになるのではないか。地域ごとに、対応・施策が異なることになるのか。
  • 報告2:『地方自治体の現場から公共政策を考える』
    • 現場の職員にとって具体的に役に立つ情報が貧しく、また、現場の実態把握すら困難であるという現実。それは記録の重要さの認識が足りないこと、文書管理のお粗末さなどが、ひとつの原因ではないか。
    • 行政現場における過少執行や、いわゆるグループシンクに基づく逸脱現象。これは、多分に個々の職員の感情によるところも大きいのではないか。
    • 自治体現場業務としては、単なるルーティン業務だけではなく、環境の変化に対応するための従来にない解決困難なケース対応業務が増えてきている。これらのケースをルーティン化するような標準業務手順の作成が重要となる。
    • 事実上の裁量権の存在、やらないための理屈、異動と無責任との狭間といった問題に対しては、責任をどうやってとらせるのかという視点も必要ではないか。
    • 組織の外からの視点を導入することの利点。議会のチェック、検査・監査の実効的な実施、パブリックコメントなどをはじめとした住民参画の手法、人材の内部調達だけではない外部人材登用など。
    • 情報交換・記録共有のためのプロセス管理のスキルの開発。簡潔すぎる公文書から詳細な記述を記した公文書へ転換するための記載項目のフォーマット化。