雑誌

 先般、とりあげた「ロースクール研究創刊号」ですが、今日、書庫にいるときに思い出して探してみたら、2冊ありました。なので、気になっていた記事を3つほどコピー。ついでに、「政策形成過程における弁護士の役割」を特集していた「自由と正義」も。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/publication/jiyutoseigi/2006_2.html

 イロイロ考えるところはありますが、特に印象的であろう箇所を一部抜粋しておくことに。

司法改革の一つの効用は(中略)弁護士をはじめとする法曹集団を従来以上に立法の世界に引きずり込んだ点にあったように思われる。(中略)
私たちは弁護士がクライアントのためにその力量を十分に発揮することと並んで、社会の最大のインフラである法制度の更なる改革と充実のためにその専門的能力を発揮してもらうことに多大の期待をかけている。
佐々木毅「政治改革と司法改革を結ぶもの」

実は、政治の場では、弁護士などの法律専門家の知識がきわめて必要であり、それは、霞ヶ関法学への対抗手段であると同時に、日常的な市民の活動から立法の必要性が生まれたときに、それを、政策形成の場に活かすことも民主主義の成熟には欠かすことができないのである。
※曽根泰教「政策形成過程における弁護士の役割」

願わくば、目指すべき弁護士改革の方向を地方自治を真の自治に向上させることにも向け、地方公務員の法律的な教育、実務における訓練等、幅広く地方公務員とコラボレートする体制を組んでもらいたいのである。(中略) 自立型になった地方自治において必要とされる職員は法律を熟知して、条例をつくる能力だけでなく、住民の課題を法的根拠に基づいて幅広い発想のもと、合理的に解決していく職員である。
北川正恭「司法改革は地方分権改革」

※楠井嘉行「地方分権が推進される中での政策形成過程における弁護士の役割と活動について」