首長・自治体職員による相互参照,地域住民・地方議会議員による相互比較,自治体間における相互競争

 そういえば,「条例づくりへの挑戦―ベンチマーキング手法を活用して (信山社政策法学ライブラリイ (4))」の読後感想として,ごくごく簡単なコメントをしていました。


 そこでも少しばかり示唆しているように,私自身の関心としては,「自治体職員が条例案を策定する」際において,「制度・システム全体を対象とした参照・比較(ベンチマーキング)」を手法として活用することだけではなく,「自治体における(住民や)議会議員が条例案を検討・審議する」際においても同様の考え方で,同様の手法を活用することができないだろうか,という観点を,特に強調して考えてみたいというもの。
 このような考えも含めつつ,次のようなことを記してみたりもしたわけです。

 パブリックコメント制度に基づき公表されることになる,新たな施策導入に際しての検討や,条例の制定改廃等に関する素案及び検討資料,その案に対する意見や疑問,さらにはそれらの意見等に対する行政の考え方等は,何も,当該自治体(首長・担当者)及びその住民(・議員)だけが独占するものではない。
 インターネット上に掲出されること等によって,各自治体担当者が容易に相互参照することが可能になるし,様々な地域の住民・議員らも容易に相互比較することが可能になる。そして,こうした相互参照,相互比較が容易になることにより,結果として,各自治体間の相互競争を促すことにもつながるであろう。
自治体におけるパブリック・コメント制度のつくりかた・活かしかた - 【情トラ】附゛録゛ からの一部引用(若干の追加・変更はあります。)