パブリックコメント・カレンダー090113

 (前文)
 文化芸術は、人間が創造的な営みの中で自らの可能性を求めようとする根源的な欲求であり、生きる証であり、生きる喜びである。また、文化芸術は、人々の心のつながりをはぐくみ、多様な価値観が共生する心豊かな社会をかたちづくり、社会共通のよりどころとなるものである。
 こうした文化芸術の持つ意義は、経済的、物質的な豊かさを享受しながらも、多くの人々が精神的な充足と心豊かな暮らしを求める今、さらにその重要性を増している。
 私たちが暮らす和歌山県は、全国有数の文化財保有県であり、万葉の時代から歌に詠まれてきた美しい自然と、世界遺産紀伊山地の霊場と参詣道」に代表される高い精神性を有する悠久の歴史を有している。そうした環境の下で、多くの県民の力によって多彩な文化芸術が創造され、はぐくまれてきた。これらの文化芸術はもちろんのこと、それを支え、はぐくんできた「市民文化」そのものが、私たち県民共通の誇りとなっている。
 また、21 世紀に入り、「癒し」と「再生」を実感することのできるその精神性と歴史的な価値は、国際的にも高く評価され、注目されている。
 この個性豊かで魅力ある文化の土壌を、私たちは、未来へと継承し、発展させ、すべての県民の力を結集した地域の文化力を高めていくことにより、誇りと愛着の持てる元気な郷土をつくりあげていかなければならないと考える。
 ここに、私たちは、すべての県民が自主的かつ主体的に、文化芸術の創造、鑑賞・評価、支援活動、伝統文化の保存・継承に等しく参加し、文化芸術が暮らしの中に息づく心豊かな社会の実現を目指すことを決意し、この条例を制定する。