朝令暮改でいいじゃないか/岩見隆夫

朝令暮改でいいじゃないか―北川正恭の革命 朝令暮改でいいじゃないか―北川正恭の革命岩見隆夫
 前三重県知事である北川正恭氏の考え方に関する書籍などは、いろいろと読んだことがあったのですが、岩見隆夫氏のインタビュー形式ということもあって非常に整理されており、これもまた直ぐに読了できたうえに理解しやすかったです。以前から感じていたことですが、この本のあとがきでも岩見氏がふれているように、北川氏の話の中には、説得力をもたせるだけの「キーワード」があるということ。話術にすぐれても、キーワードの工夫というものがなければ、聞く人の心をとらえないですよねぇ。
 以下、そのキーワードも含めて、付箋をつけたところをいくつか抜粋。

北川・・(前略)「緊張感のあるパートナリング」ですね。私は、これが日本の目指すべき民主主義の一つの形だと思っています。(中略)情報革命が起きているということと情報開示を前提にしたら、国と県、県と市町村は、対等協力、緊張感のあるパートナリングになるはずです。(後略) <p.46>
北川・・(前略)行政はプレイングマネージャーではないということです。行政はアンパイアに徹する。つまり、船の櫓を一緒に漕ぐのではない。「漕ぐのは県民のみなさんで、方向の舵を切るのが行政の仕事である」というのがベースです。(後略) <p.101>
岩見・・(前略)ボランティアとかNPOをやる人たちはいいんです。その他の大多数の大衆はそこまでレベルアップしていないのが実情でしょう。(中略)その次に何かビルディングするというところに至るまでには相当な距離があるんじゃないかと私は思う。
北川・・だからこそ、緊張感のあるパートナーとして、お互いが能力をつけていかないと存在しえないという、新しい文明をつくらなければしかたがないのです。(後略) <p.137>