日本の課題と求められるリーダー像

 ジャパン・リーダーズカレッジ、いよいよ開講。まずは、一番前の真中の席を陣取って(?)みました。何といっても、菅直人氏のお話を1時間半(質疑も含む)も聴くことができるわけですから。

 まずは、憲法を切り口に、官僚主権・官僚内閣制という話から。日本においては、明治憲法下には官僚組織が国を統治し、さらには軍の官僚が統治するようになっていった。これが現行憲法になり、国民主権となったのであるが、それにもかかわらず、未だ官僚の意識が変わっていないとする。そのひとつの象徴がいわゆる「三権分立」の考え方。

 と、ここで、菅氏から質問を受けましたよ、【情トラ】管理人。
菅氏:“「三権分立」をどう考えるか?”
【情トラ】:“立法権、行政権、司法権の3つの権力は、いずれも大きな権力であるがために、もし同一のものがこれらの権力を行使することになると、非常に恣意的なものになる恐れがある。とすると、それぞれを分立させておく「三権分立」の考え方は、必要だと思われる(⇒実際の表現は多少違いますが、同趣旨の回答をしました。)。”
 この回答に対して、菅氏は「一般的な回答としては優等生の回答」と持ち上げていただきましたが、菅氏の採点としては『30点』(!?)とのこと。確かに、1996年12月6日衆議院予算委員会の質問及び答弁が模範回答となるのでしょうから、30点で仕方がないですねぇ (^ー^)

 つまりは、「三権分立」を官僚は次のように解釈している。『憲法65条に「行政権は、内閣に属する」とあるので、国会から独立したところに行政権はある。したがって国会は行政にあり方に直接口をはさむことはできない』と。しかし、その解釈は、国会を単に立法府とだけみていることとなり、『行政に対して国会が監督権を持たないと、主権者である国民はいったいどうやって行政をコントロールするのか』という大きな問題が生じる。それに対しては、『国会は主権者を代表するという意味で国権の最高機関であり(憲法41条)、日本の議院内閣制のもとでは、国会に行政を監督する権利がある(憲法66条3項)』と解釈するのが、1996年12月6日衆議院予算委員会の質問及び答弁の要旨であり、その解釈こそが、主権者である国民が行政をコントロールする根拠となるものといえるのである。

 と、講演の内容は、菅氏の著書である
 大臣 (岩波新書) 「大臣 (岩波新書)」(←新書ということもあって非常に読みやすく、重要な論点等が示してあるので、【情トラ】管理人も何度か再読しています。)に著されていたものが多かったのですが、やはり目の前でお話いただくと伝わるものが違います。何よりも個人的に印象に残ったのは、その笑顔。やはり、どんな組織であれ、リーダーという多くの人を惹きつける人物には、その表情に魅力が表れる方が多いのではないでしょうか?


 そのほか、市民運動を始めるそもそものきっかけとなった「地価と土地政策」(参考図書 国会論争『土地政策』)についてとか、そこから「しつこい」ことが大事だということなどなどのお話を拝聴しました。


 なお、質疑応答において伺いたかったこととして(ご指名いただけなかったので)。
 「Q.行政は、法律の範囲内でしか活動できないわけで、そうした意味ではいわゆる閣法(内閣提出(官僚提出))ではない議院立法というものが重要視されていると思います。その議員立法を行ううえでの問題点とその解決策は?」
 この問については、他の質疑応答等の内容から、おおよそこのような回答をされるのではないかと思います。
 「A.法案提出は、現在年間50〜60本ほど行っているが、従来の野党は行わなかったし、できなかったことではないか。何より対案を示すことを法案という形で行うことは重要だと考える。しかし、いかんせん野党の立場では権限がないことが問題点であり、政治家は結果責任、つまりは、やってナンボのもの。それを解決するには、政権交代である。」
※注※実際に、こうした質疑応答を行ったわけではありません。すべて【情トラ】管理人の考え、まとめによるものです。


 その後は、「日本の課題と求められるリーダー像」と「リーダーシップとは何か」というテーマで、グループ討議。同じチームとなった皆さん、最初っからスムーズに討議できたとはいいがたい進行役ぶりでしたが、何とぞ今後ともよろしくお願いしますねっ。