第25回メフィスト賞「それでも、警官は微笑う」/日明恩

 それでも、警官は微笑う それでも、警官は微笑う /日明恩
 「硬派のタフガイと軟弱なお坊っちゃま」という2人の刑事の人物造形が、ほどよいリーダビリティを生み出していて、満足の内容でした。個人的には難点がないとは言いませんけど、「警察官」と「麻薬取締官」という異なる組織がそれぞれの縄張り意識を持ちながらも、目的とするところは何ら変わらないものであること。よくある話だと思いながらも、重要な指摘だと言わざるをえないものでしょうね。やっぱり、縦割りになっている組織の弊害って、現在においては大きいと思いません??