社会保障制度の選択【京都産業】

■戦後初めて「富の分配」の問題に直面していることが、日本社会の将来不安の理由であり、社会保障制度の新たな選択肢が必要とされている。
■その制度設計には3つのモデルがあるが、従来の日本は、そのうちの1つである共助の考え方をとっていた。しかし、そのベースとなる伝統的な共同体は壊れ、かわって自助のモデルまたは共助のモデルが必要とされるのであるが、いずれを選ぶかはいまだ見えていない。
■自助であれば、個人の自己責任になるが、貧富の差の拡大や犯罪率上昇が不可避と考えられる。共助であれば、「医療・福祉重点型」の制度が求められるが、新しい共同体の構築が不可欠である。
■この選択は価値の選択であって、官僚には出来ないものである。それゆえに、政治こそが明確な対立軸を提示して、国民一人ひとりの選択に委ねることが必要となるのだ。