第2回「経済的視点からみた知的財産」

平成16年度公開講義 大阪大学大学院法学研究科・高等司法研究科産学連携プロジェクト「知的財産をめぐる潮流−知的財産の管理から経営へ」の2回目。
 本日は金融庁総務企画局企画課長が講師です。知的財産の特徴をふまえて、多様な信託業の担い手による融資の担保として、知的財産を扱うという信託業法の改正などに関する講義でした。

※以下は、あくまで【情トラ】の個人的なメモです。事実誤認があるかもしれません。

  • 融資の担保性

 銀行等の貸出審査は、相手の返済能力をみるものである。担保は確実に返済をせまるための手段であるが、そのことばかりを強調しているのでは、質屋と何も変わらない。やはり、相手の返済能力を鑑みて融資することがあるべき姿ではないか。その場合において、相手の返済能力をはかる指標として考えられるのが、知的財産である。

 信託制度の現状は、信託できる財産が金銭または有価証券に限られている。そして、信託業の担い手も金融機関に限られているところである。
 これを受託可能財産の範囲を財産権一般として「知的財産権」の受託も可能とし、また、辛苦業の担い手も、ある程度の参入基準はあるものの、金融機関以外のものがそのノウハウを活用したサービスの提供を可能とするという基本方向で信託業法の改正を予定している。
 この改正によって、国民のニーズに対応した多様な信託商品の提供や、企業の資金調達手段が知的財産権や売掛債権を流動化させることによって可能になること、そして、知的財産の管理手段が多様になることなどが期待される。