都道府県議会における質問/答弁について

(※以下は、議会における質問/答弁についての【情トラ】私見。)
 議会のネット中継等の整備に絡んだことといえるかどうかわかりませんが、【情トラ】が議会に対して、もっともっと期待するのは、その中継の内容、つまりは議会における質問/答弁の充実化です。これは、別にネット中継云々に関係なく、常に求められることだと言えるでしょう。
 基本的には、京都府議会を傍聴した1回限りの経験(ただし、他の県議会のテレビ中継は何度も見たことはありますし、各県の会議録はある程度読んだこともあります。)をもとにして、次のような思いをもっています。
◆参考 【情トラ】附゛録゛


 【情トラ】の議会に対して感じている思いとは、「議会とは、『原稿読み』の場になってしまっており、議論の場ではなくなっているのではないか」ということ。もちろん活発な議論をされているところもあると思います。しかし、少なくとも【情トラ】が傍聴した議会においては、そうした雰囲気を感じなかったことは確かです。
 議員からの質問は、おおよそ次のようなパターンがあるようで、失礼を承知で、極端な例として記すと、、
「○○について、お伺いします。○○については、〔各種統計資料や地元の声などをもとにした○○についての現状説明〕という現状です。このことについては、〔その現状に関する抽象的な問題点の指摘〕という問題点があり、〔抽象的な問題解決のあり方に言及〕といった対策が重要だと考えます。そこで、○○に関する現状について認識と、今後の対策について、知事のご所見をお尋ねします。次に△△について、お伺いします。(以下繰り返し)」
 対して、理事者側からの答弁は、次のようなパターンになります。これも失礼を承知で、極端な例を記すと、、
「○○についてのお尋ねでございますが、議員ご指摘のとおり、〔各種統計資料や一般的な見解をふまえた○○についての現状説明〕という現状がございます。こうした状況については、多方面から効果的な対策の必要性が議論されておりますが、国においても、現在、審議が進められているところでございます。今後は、国の動向を注視していきつつ、関係機関との十分な連携により、対応について検討を進めさせていただきたいというふうに考えております。次に△△についてのお尋ねですが、(以下繰り返し)」
 これらは極端な例ですが、「なんだかなぁ。。」なんて思われる方が多いのではないかと考えるところ。それは、「質問と答弁がそれぞれ独立していること」がひとつの大きな問題点になっているのではないでしょうか。つまりは、それぞれが独立しているがために、

    1. お互いに内容が重複するところが多い
    2. 問題点/解決策の指摘が具体的なレベルに進まない
    3. 質問者と答弁者のみのやり取りとなってしまっている

等々の問題点が考えられます。そして、独立しているがために、用意するものは「原稿」であって、「意見」や「アイデア」、「問題意識」ではなくなっているのではないかと思うわけなのです。
 やはり、議会においては議論を期待するわけですし、その議論とは、「意見のぶつかり合い」や「具体的な解決策に対する合意形成」というものです。原稿がもとになるものだと、そこに「意見のぶつかりあい」は生まれないでしょうし、一歩ずつ進んでいくような「合意形成」がなされることもないでしょう。
 そして、そういうダイナミズムが無いような議会を、どれだけの人が傍聴しようと考えるのか。これは、議会の傍聴者数が少ないのは、「平日昼間に、その場にまで行かなければならないという過大なコスト」だけではすまない問題だといえます。
 議会のネット中継等の整備がなされて一体どれほどのアクセスがあるのか、もし、継続的にアクセスが向上するというならば、平日昼間に開催していること自体を改革する必要も出てくる気がします。もし、アクセスが増えたとしても一時的なものに過ぎないというならば、そもそも議会における議論が、あまり魅力がないものだと認識されてしまっているとして、議論のあり方自体を改革する必要が出てくるのではないでしょうか。。
 以上の論考は、【情トラ】の勝手な思い込みという面も多々あるのでしょうけれども、今後、検証してみても損はないとも思うところですので、検討検討また検討っつーことにいたします。