様々な話し方

 とある勉強会(この次のエントリ参照)にて、思ったこと。それは、いろんな話し方(挨拶から演説、講演、プレゼンテーション等々)があって、自分が参考になると思うところは自覚的に練習して、自分に取り込まないといけないなぁということ。
 平田オリザさんのお話からの示唆もありますが、やはり何らか「伝える」という場合においては、必ず相手方がいるわけであって、その相手方に伝えるときには、実に様々なスキルがあるわけです。そして、文章なら、相手に届かせる前に推敲することができますが、話となれば、言葉にしたら、それがそのまま相手に届くわけで、かなり自覚的な作業が必要になるはずでしょう。
 『自分なりのスタイルと、時と場合と目的に応じたスキルを組み合わせて、相手に伝えること』。これはカンタンなようで、なかなか難しい。場数を踏むことで上達するのだとも今まで思っていましたが、ただ漫然と数をこなすだけでは、少しもスキルアップしないままということだってありうることは明らかなのでしょう。
 そんなことを考えているなか、今日、イロイロなお話を伺う機会があったのですが、そのなかで、最も【情トラ】にとっては自分のスキルとしてとりいれたいなーって思ったのは、次のような話し方。
 それは、『すごく婉曲的な表現を用いながら、その先の結論を聴衆に明確にイメージさせる』という話し方です。それも、その婉曲的な表現にユーモア性すら含んでいるところが、あぁ、こんな伝え方って有効やなーって思った次第。具体的には、おおよそこんな感じです。

 日曜日の朝の8時から、「○○をお願いしますっ、○○にお力添えをお願いしますっ、○○にあなたの清き1票をお願いしたしますっ!!」といった連呼が聞こえてくることについて、みなさんは、どのように思われますか?
 「これぞ、民主主義の鏡だ」とか、「あの連呼こそが、あるべき選挙活動の姿じゃないか」とかいったご意見をお持ちの方がいらっしゃいましたら、誠に恐縮ですが、挙手をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。

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 アレッ? どなたも挙手されない。。。 アレッ??

※前三重県知事、早稲田大学大学院教授 北川正恭さんのお話から。

 このように上手く婉曲的な話し方をしていくと、聴き手の側で、その先の結論をイメージできた方から順に、少しずつニヤニヤとした笑いを共有していくんだろうなーと思います。そこに、一方的な伝え方ではなく、イメージを浸透させ、共鳴させる伝え方という違いを感じたわけなのですね。

 まっ、こうした話し方が参考になったからといって、そっくりそのまま真似るのではなく、自分なりのスタイルとすり合わせ、時と場合と目的、そして相手に応じた実践ができればと、自覚していきたいものです。