市民裁判員先行記第34回/Winny事件第18回公判
京都地裁。Winny開発者が被告人となった、著作権法違反幇助に係る事件。第18回公判に傍聴に行ってきました、最初から最後まで。
■傍聴前について
- 13:00ごろ 地裁到着。なんとなく人が多いかも。
- 13:20頃 入廷開始。カバンを預け、身体検査(ポケットにモノが入ってないかどうか程度)後、101号法廷に。
- 13:30 開廷。
■公判内容については、あくまで【情トラ】の個人的なメモをまとめたものです。全てを再現できているわけではモチロンありません。メモ等が漏れているところが相当箇所ありますし。
■また、公判内容についても、語尾表現を簡潔にするなど、様々なかたちで【情トラ】の手による編集等も加えていますので、細かいニュアンスなどは全く異なる印象を与えることもあるかと思います。それだけではなく、実際には発言されていないにもかかわらず、【情トラ】が理解した(思い込んだ)ものを勝手に付け加えてしまっているトコロもあるかもしれません。
■さらには、私の理解不足や事実誤認なども、必ずあるはずです。とまあ、イロイロと但書がありますので、その旨ご留意されるようお願いいたします。
■なお、これまでのWinny(ウイニー、ウィニー)事件公判傍聴録/【情トラ】まとめ(概要も含む。)は、次に掲げています。ご参考まで。
◆【おっかけ情トラ】市民裁判員先行記 - 【情トラ】附゛録゛
今回も、被告人質問。特に、各種調書の任意性に関するものと、47氏としての2ちゃんねるへの書き込みに関するものが、主な内容です。
■はじめに、弁護人からの請求等々について。「新たな請求として弁28号証及び29号証が提出されている」旨を裁判長から検察官に伝えられ、これらの取り扱いを質問。検察官からは、「今朝、出されたものであり、検討できていない」旨の回答。
■裁判長から、今までの分で留保していたものに関し、質問。検察官からは「弁20号証からですか」との発言。対して、弁護人から「16、17、18、19も」と。検察官は、「弁16号証から18号証は同意。19号証は不同意。弁20号証は同意」とのこと。
■裁判長から、「16号証、20号証は書証ですし、17号証、18号証は取り調べますので出してください」との発言。
■検察官から、「弁21号証は不同意」とあったが、裁判長から、「既に21、22、23、24については意見をもらっている」との回答。
■検察官から、「弁25号証、26号証の鑑定意見書は同意したうえで、信用性を争う」とのこと。「弁27号証は必要なし」。
■弁護人から、「弁22号証は」と質問。裁判長から、「意義があるとのこと」と回答。
■そのあと、弁護人から、今、同意された証拠に関する要旨の告知をするとのこと。「弁16号証は、弁護人作成のFreenetの発展に関する書証。弁17号証はWinnyの技術を発展させたプログラムが入ったCD-R、弁18号証も同様にWinnyの技術を発展させたプログラムが入ったCD-R。弁20号証は(、特許事務所作成の(?)Winnyの技術に関する)特許出願書。弁25号証と弁26号証は、鑑定意見書。」
◆被告人に対する弁護側からの質問
- (弁護人(特に注記がなければ、以下同じ))平成15年11月27日に行われた自宅捜索について。Kさん*1が接続実験を行い、本富士署で誓約書を書いたといったことに関して、何か証拠となるものはあるか(?)
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))O弁護士*2からの問い合わせメールへの返信など(?)
- O弁護士とは、正犯の弁護人ですね
- はい
- 平成15年12月26日の家宅捜索はどのように行われたか
- 前に押収したPCを返しますと前もって連絡があったが(?)、実際は捜査・押収令状を持ってきて、自宅のほぼ全てのPCを押収していった
- 平成15年11月27日については、調書が作成され、Winnyの開発・公開を行わない旨の誓約書を書いたということだが
- 誓約書を書いて戻ってきたという認識
- 実際には申述書であったのだが、そのことを知ったのは、平成15年11月27日以降でいつか
- 今回の公判で証拠が開示されてから
◆被告人に対する検察側からの質問
- (検察官(特に注記がなければ、以下同じ))平成15年11月27日のことから。京都府警の捜査官が家に来て、12時17分から15時06分までPCの検証などを行った
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))はい
- どのような会話をしたか
- 基本的に勝手に作業していたが、「なんで来たのか」と訊いたら「わかっているだろ」とか、部屋の散らかりぐらいについてなど
- それ以外には
- 主にKさんはPCの作業に集中していたので、他の方と。「(私は)どうしたらいいか」と訊き、「はしっこに座ってくれ」と言われたり
- 他に
- 基本的にあまり話していない
- Webサイトの公開については
- 閉じてくれないかと言われた
- 誰に
- Kさん。「義務ですか」と訊いたら、「できれば」と言われたので、「だったら別にいいですが」と答えた
- 法廷での(被告人の)話を聞いていると、警察官が来たら協力するつもりでしたとのことであるが、警察官が来ると意識していたのはなぜ
- その日、午前中から来ていたようだが放置していたぐらい。意識はしていない
- 著作権侵害の認識があったのか
- 技術的協力を求められることがあるのではと思っていた
- どのような認識があったのか
- できるだけ著作権侵害に関しては、どうにかしようと思っていたが(?)、根本的な解決方法なまだ思いついていなかった(?)
- 11月27日の検証の際にアップロードできない設定のWinnyだった
- 開発者ですのでいろいろなバージョンがある
- その日は、朝方までダウンロードをしていたのか
- ダウンロードテストをしていた可能性はありますけど
- キーワードは設定していたか
- 記憶にない
- 無視機能のキーワードは
- 記憶にない
- 2ちゃんねるの話題は、Kさんとの間であったのか
- 本富士署に行ってから
- Kさん以外には
- 記憶がない
- 何の話をしていたとき
- 「2ちゃんねるはみているか」と(訊かれた)
- どう答えた
- みていますが
- それ以外は
- 特にない
- 「キミは2ちゃんねらーか」と訊かれたか
- ニュアンスは違うが
- 「あいらは要求するだけの人間ですから」と言ったのか
- それは絶対に言っていません
- 本富士署には素直についていったのか。拒否しなかったのか
- 強制だろうと考えました
- 警察が言うこと全て強制か
- 基本的にはそうですよね
- なぜ
- 協力するのがふつう
- 強制だと言われたか
- 付いて来てくださいと言われた
- それ以上(、捜査官は)要求したか
- というと、具体的には
- 付いて来なかったらどうなるとか
- それは聞いていない。「行かなくっちゃいけないんですか」と訊くと、「お願いします」ということだったので、「じゃあ」と
- 本富士署では、Aさんが取り調べたのか
- はい
- 開発・公開の目的について訊かれたのか
- はい
- どのような
- そもそもなぜ、何を考えて開発等したのか、その経緯についてなど
- どのような口調で
- 普通の
- どのように答えたのか
- えーと、基本的には素直に、そのまま経緯を答えた
- どのような
- 当時「Winnyの将来展望について」を書いたばかりですので、似た内容を
- わかりにくいのでもう少し
- 技術検証のため
- 「将来展望について」と同じような話をしたのか(?)
- 多分そうだと思います
- あなた自身の言葉で
- うーん、向こうからの質問に対して答える感じだったが、どうも違う方法にもっていこうとされていた
- Freenetに啓蒙されたとのことだが
- きっかけである
- Freenetを知ったのは
- 平成14年、4月1日に47として宣言した2、3ヶ月前
- Freenetの論文をみたいきさつは
- 当時ネット上で話題になっていた。一部では
- どういう
- 匿名性の技術について
- どういうサイトで
- きっかけもやっぱり2ちゃんねるか
- どこですかね。記憶にない
- 2ちゃんねるでは
- ダウンロード板で話題になっていた
- どのように
- 今後ひろまるんじゃないかと。技術的に注目していた
- あなたがしたんですね
- 訊かれて
- どんな内容か
- どうにかならないんですかねぇ、といったもの
- どのように、現状ではおかしいと(?)
- 著作権の問題はどうにかならないのかと。向こうから訊かれたからですけど
- どのような質問だったのか
- 記憶にない
- 前回の弁護士さんの質問には、ニュアンスが全然違うといったことを言っていたようだが
- お金がまわるようにといったこと。向こうは理解できていない。話が通じなかったという記憶だけはあります
- 作文だとおっしゃった
- はい
- あなたの面前で作成されていたのか
- カタカタとワープロをうって。全く違う、全然違うと言うごとに、「こうですか、、こうですか」と訊いてきた
- 何回もプリントアウトしてか
- 直接PCの画面をみて。極力なおそうとはした
- 署名をしているが(?)
- 義務なんじゃないんですか(?)
- かいてあることに誤りがあると思ったときには
- なおそうとはしました
- なおされたか
- 位置を変えていただけ
- 違うと申立てはしたのか
- しました
- なおしてくれたか
- なおしてもらえなかったが(?)、警察は基本的には正義の味方なので、協力しなければならないし(?)、何かわからないけど、何らかの意図があるのだろうと思った
- 警察への協力とは
- 望まれている情報を出す
- 納得してないのに署名したのか
- いいかげん嫌になってきた
- めんどくさくなってきたのか
- めんどくさくなってきた
- 開発・公開をやめるということについては
- 一筆書いてもいいと言ったら、Kさんが「よっしゃー」と言って、外に出て行った。開発してほしくなさそうだったので、協力しようと思って
- 誓約書のフォーマットは
- Kさんが
- どれぐらいの時間で
- 30分ぐらい
- 30分の間は
- 例の「違う、違う」をやっていた
- 誓約書のフォーマットをもってきたとき、読んで確認したか
- (そのまま)写しました
- 何か言われたことは
- 特にないです。「これをかいてくれ」と
- それをかかないと、、といった脅しはあったか
- ないです。写せばいいと思って、書いてくれと言うなら書くかという感じ
- 内容について読めばわかるのではないか
- 変だとは思っていたが、やましいところはないので
- どう内容が変だと思ったのか
- 細かいところは覚えていないので
- Aさんの調書も署名をした
- はい、さっきいったように「違う、違う」といったやりとりはしたが(?)
- 「既存のビジネスモデルは、もう古く、コピーフリーは妨げられない(??)といった信念でつくり上げたソフト」と
- 一部言ったことが採り上げられてはいるようだが
- (弁護人から)質問の訊き方が漠然としているので、これと、、
- (裁判長から)特定してください
- (被告人から)(検察官がもっている資料を)見せていただければ
- (検察官から)はい
- (検察官(特に注記がなければ、以下同じ))署名を示します
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))はい
- 「何より既存のビジネスモデルは、もう古く、コピーフリーは妨げられない(??)。警察に摘発されないように、、(?)」
- 摘発されないようにとは言っていない。間違いない
- 画面をみながら指摘したのか
- 違うと言ったが、どうにか残そうとした
- 文句は言わなかったのか
- 言ったが、イヤイヤと言っていただけ(?)
- 怒鳴られは
- してない
- 言い合いは
- (?)
- 結局は署名しているが
- めんどくさかった
- 何が
- 8時ぐらいになっていたし、やましいところはないので、証言ぐらいなら問題ないと思った
- 平成15年12月26日について。本富士署には同行したのか
- 前にも行ったから
- 雰囲気は
- その日は徹夜していて、(署内で被告人は)寝ていた
- 調書をとっているときに
- 寝ていました。パソコンでカタカタしている横で、グーグー寝ていた
- 調書の内容については
- 全然違う、問題外だ、寝ていたのに調書ができた
- Kさんと押し問答になったのか
- 署名前に
- 何を言われたのか
- 「幇助を認めるのか、認めないのか」と。(それで)「何をしたら、幇助になるのか」と訊いたところ、「助けたら幇助となるのだ(?)」と。「具体的には開発したらですか」などと尋ねた。「1%でも可能性があれば、可能性がある(?)」「逮捕しないだけだ」(??)
- Kさんが大声で脅すようにか
- 「幇助を認めるのか、認めないのか」と大声で。「お前は責任をとらないのか(??)」
- (前回)「手をだす、指をさす」ようにと言っていたが
- (弁護人から)異議あり。何を指しているのか
- (裁判長から)特定してもらえますか
- (検察官から)この質問は留保します
- (検察官(特に注記がなければ、以下同じ))Kさんは机をバンバンバンと叩いたのか
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))叩く人でしたね
- 暴行されたりは
- 暴行はないが、Kさんはもともとそんな感じ。いつも怒鳴っていた、私に対しては
- Aさんは
- 話をきいてくれそうな
- Kさんは
- 怒鳴りにくる
- 12月26日の調書も署名しているが
- 体調がわるかったし、Kさんが「新幹線がなくなっちゃうんだよね」と言ってきた。どうしても押してくれという感じだったので、めんどくさいし。
- 署名しないと帰らせないという感じか
- 「困っちゃう」とは言われた
- 5月10日に京都五条署に移動したか
- はい
- Aさんの取調べを受けたか
- はい
- 5時台に接見しましたね
- 当番弁護士さんと
- アドバイスは受けたか
- 特には、新聞をみせてもらった
- 5月10日には、弁護士さんから「納得のいかない調書には署名するな」といったアドバイスは受けていないのか
- 受けていない
- 1時間も接見していてか
- まわりの情報を教えてもらった
- 5月11日には、午前8時半から9時半まで(?)、午後8時から8時45分まで(?)、(弁護士と)接見している。何かアドバイスは
- 報道の様子などを教えてもらった
- 取調を受けるにあたってに注意事項は。納得のいかない調書に署名をするなというのは
- その2、3日後に受けた
- いつ
- 13日より後なんじゃ
- それまでにはなかったわけ
- 情報交換していた
- 5月12日には、午前8時(?)から(?)まで、午後3時(?)から4時(?)、午後4時(?)から(?)に接見している。そこでもアドバイスは
- 13日の話ですか。12日は裁判所に行った日、、(?)
- ビジネスモデルに関する内容も
- ネット上での流通は妨げられないのだから、そこからお金をとるように考えるべきでは(?)。2つしか対応はない
- 2つとは
- 応用するか、禁止するか
- 言ってもいないことを文書にされたとき、署名をするなといったアドバイスは
- ない
- あなたは5月13日から署名をしていませんね。それは弁護士さんからのアドバイスか
- ベースには(それもある)。しかし、検察は信用できないような感じがした(??)警察は正しいんだろと思っていたが(??)
◆ここで検察官が交代
- Iが質問します
- おつかれさまです(?)
- 11月27日には参考人として、12月26日に被疑者として取調べを受けたが、その立場の理解はあったか
- 説明は受けた
- 捜査に対する不満は
- もっていなかった
- 逮捕前にメールでO弁護士とやりとりしているが、不満等を伝えたことは
- Oさんは技術的な問い合わせだった
- 閉鎖に関しては
- 強制ではない。お願いということ
- 供述調書と、申述書については、KさんとAさんの2人ともいたときに署名したのか
- はい
- 申述書に署名・押印をしたのは
- 私のところでは行動にやまいしいことはなかったので、押しても問題はないから
- 申述書はどのように書いたのか
- (Kさんが用意したものを)一字一句そのまま書き写した
- どうしてコピーしたのか
- こう書いてくれと言われた
- kさんに言われたからということだけか
- はい
- 強要されたりしたか
- いいえ
- 申述書の意味に気づいたというのは
- 途中で
- 最後の4行になってからか
- はい
- そこまでは疑問をもちながらも、ということか
- 別にWinnyの開発中止に関係ないと思いながら(?)
- Winnyの開発・公開を中止すると誓約するのに、何もサンプルを書いてもらう必要はないでしょう
- そりゃそうですね
- 蔓延という言葉の意味はわかるか
- 意味はわかります。書けませんが
- 12月26日にPCの押収手続がとられましたね
- はい
- パスワードの設定は
- されていたのとされていないのがあった
- 警察には
- ノートPCはログインパスワードを設定していたので、教えた(?)
- バックアップをとらせてもらったのか
- はい
- あなたが頼んだのか
- バックアップしていいよと言われたので、それじゃしますと
- バックアップしたんですか
- はい、しました
- 12月26日の調書について
- 寝てましたけど。取調べをしていませんので
- Aさんにかわって、キーボードをうったことは
- 11月27日はある。ただ、カーソルを動かすぐらい。12月26日はない
- 内容には納得がいかなかったのか
- 完全な作文
- 強制されたのか
- 無理押しされた。意地でもこれに署名しろと
- 泣きそうになったり、逃げ出しそうになったりは
- それはない
- 署名について、1、2時間ほど押し問答になったようだが
- 内容が違うので、2、3時間ほど
- 体調が悪かったのに
- 悪かったのに
- 署名することは重要ではないと考えていたのにか(?)
- さすがに全く関係ないものを押したくないから
- そうですね
- 5月10日には弁解手続がなされたが、そのときには押し問答になったりは
- なっていない
- 5月10日に、本富士署のKさん*6が
- 用意してある書面に署名してくれと
- 5月11日に、京都五条署のTさんが
- 名前を書いてくれと
- 怒鳴られたりは
- 怒鳴られていない
- 5月10日には身上調書も作成されている
- 自分の意思で(?)
- 眠かったとか、疲れていたとか
- それはありますね
- 結構、機械的に署名したのか
- 警察に協力しようと
- その日に弁護士さんとの接見があったか
- 私のほうでは記憶にない
- これまでどういう調書をとられたかなどの話は
- 適当な調書が
- 弁護士さんは抗議するとか言っていなかったか
- 言っていなかった
- 5月11日に検察官へ送致され、私が五条署にPCとプリンタをもちこんで、文書をまとめ、事務官にわたして印字し、読み聞かせ、署名・押印をしてもらった。その内容などは
- 警察のめちゃめちゃなものに比べれば、まともに
- その日の接見では、取調べの注意は
- (?)
- 5月12日に裁判所に行き、勾留質問調書が作成された
- はい
- その日に接見は
- はい
- 注意は受けたか
- あまりそういうことではなく
- 勾留質問においては、2箇所訂正している。それ以外は、(検察官作成の(?))弁解録取書のとおり。「蔓延させようとした」という箇所と、「Winnyを違法に使用(??)」という箇所
- 明らかにへんなところは、訂正してもらった
- 他のところは、削除したりしなかったのか
- 削除してよかったんですか
- どうして
- (?)
- Winnyが違法に使えることはわかっていたのか
- 使えることは認識していた
- 5月12日に検察官が取調べしたときに、供述拒否権の告知はされたか
- はい
- 5月12日に接見した両弁護士(※お二方いらっしゃるようです(?))は、検察の取調べに対して、「納得がいかない内容ならば調書に署名をするな」といったアドバイスはなかったのか。(このアドバイスは)基本中の基本だと思うんだけど
- 記憶はない
- 不本意な内容であれば署名はするなとか
- 言ったような(?)
- 5月12日の前には、注意を受けたんでしょ
- (Winnyの)機能に関して訊かれたのは、12日でしたか、13日でしたか
◆ここまでで検察官からの被告人質問は一旦終了。裁判長からの質問がいくつか。
- (裁判長(特に注記がなければ、以下同じ))平成15年11月27日の家宅捜索の後に、弁護士に相談しようとは思わなかったのか
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))全然思わなかった
- O弁護士とのメールのやりとりを、誰かに相談したりは
- 限られた人間しかWinnyの開発を知らなかったし、O弁護士からのメールは技術的な問い合わせであった
- 任意とか強制とかの法律用語については、知っていたか
- (?)
- 任意というのはわかっていた
- よく任意の捜査とか言いますよね
◆ここで、休憩が入りました。休憩後(15時25分から再開)は、弁護人からの被告人質問が行われました。
- (弁護人から)日付や出来事を箇条書きにしたもの(ペーパー)を示しながら、質問をします
- (検察官から)意見書添付の事実経緯を示しながらですね
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))はい
- 2回目に、ユーザーが逮捕されたときか
- はい
- ニュースになったとき、仕事は何をしていたか
- 平成13年の秋なので、エクス・ツールズにいた
- お仕事は暇だったのか
- 平成14年から東大に移ることが決まっていたので、残務整理や未踏ソフトウェアの件などあって忙しかった
- 興味のあるニュースだったか
- 数多くあるIT関係のニュースのひとつ
- (東大に移るにあたって)引越しをしたのか
- 平成14年の1月か、2月に引越しした
- プログラマーとして関心をもつようなネタ探しをしたのか
- 比較的暇だったので、技術的なネタ探しをした
- ネタは見つかったか
- Freenetは技術的に面白いと思った
- いつごろ
- 平成14年の2月か3月
- Freenetに関していろいろと調べたのか
- 検索して集めた
- 論文も読まれたのか
- はい。関連文献も
- なぜFreenetは
- 技術的側面が
- どういう
- 技術的に匿名性がつくれるという主張が
- 問題点は
- 効率性がよくないこと
- ダウンロード板か
- 関連するたくさんのスレッドがあった
- (「MXの次はなんなんだ?」のスレに)最初にした書き込みは、40番目の「Freenetに一票」というものか
- はい。「追跡がほぼ不可能なファイル共有ソフト」と
- 次に44番目の「 参加する人が増えれば問題ないと思うけどね。Freenetは。」というものか
- 効率性の部分については、参加する人が増えれば解決するのでは、と思ったので書き込んだけど、ウソをついたと思った。このときに閃いて、別の切り口からだったら解決できるとアイデアが浮かんだ
- どのようなアイデアか
- プロキシという概念を、はじめから(?)
- 弁15号証(※「Winnyの技術」のこと)の42ページを示します。ここに書いていることか
- はい
- 続いて47番目の書き込みを示します。これはあなたの書き込みですか
- はい
- 「freenetみたい」というのは
- 匿名性をもつということ
- 「2chネラー向き」とは
- 43番目の書き込みにあるのですが
- 「>freenet 使い方難しすぎ」という書き込みか
- これを受けて、使いやすいという意味
- 44番目から47番目まで36分間あるが、この間に考えたのか
- アイデアが浮かんで、基本となる実装をパッパッパッと思いついた
- アイデアに関しては
- 魅力的画期的かなと
- 弁15号証の44ページ、45ページにあるものか
- プロキシ技術の応用
- 「 ソフトウェアは作る気があってずっとチャレンジしていればいつか作れますし、作る気がなければ作れません。知識量なんて関係ないです。作れないのではなく、作らないから何も出来上がらないだけです。ソフトウェアを作るのに必要なのはやる気と根性とアイデアで、知識は必要になったら調べればいいだけです。とりあえず手を動かしましょう。」(※MXの次はなんなんだ?2の490発言)とは、あなたの書き込みか
- はい
- 著作権侵害を蔓延させてやろうという意図はあったか
- いや、それはないです
- その時点で、蔓延すると思っていませんでしたか
- いえ。ファイル共有ソフトは何千とあるので、そこまで人気がでるとは思っていなかったし、そもそも動くかどうかわからなかった
- Winnyはひろまらないと
- はい
- 絶対にひろめてやろうという気持ちは
- そこまでは
- どういう意図だったのか
- 技術の検証。アイデアの表現
- 公開するとき刑事責任に問われるとは思っていなかったか
- そこまでは
- 責任を回避しようという意図は
- 逃げ隠れするつもりはなかった
- (Webサイト開設先である)Yahoo!の開示情報にも、あなたが契約者として記載がある
- そうです
- 開発・配布を1人でしていたのはなぜか
- 思いついたのも1人だし、1人でできると判断して
- 56番目の書き込みはあなたのものですか
- ※ここから「432番めの書き込み」とあるところまで、次のWebページを前提とします。
- ※MXの次はなんなんだ?
- 一番はじめに設計についてかいたもの
- 何をかいた
- 4月1日の夜の11時ごろに、説明をみんなになげた
- 79番目、4月2日午前4時「とりあえずWinSockでの最低限の通信部分は書いた。」
- 私の書き込み
- 83番目、午前4時半「現在想定している設計ではUL,DLは同じキャッシュホルダ」
- 私の書き込みだと思います
- 134番目、4月2日午後10時「とりあえず暗号化の部分は作り終わった」
- 139番目、4月3日午前6時「インターフェイス部分はだいたいできた」
- 徹夜で作業したのか
- この当時は、ほとんど寝てない
- 213番目、4月4日午前6時「検索部分作ってますけど」
- 検索部分は後回しだったのか
- 一番難しいところなので
- 213番目は、最初の書き込みから72時間後。開発ペースとしては
- 私のなかではフルパワー
- 意気込んでつくっていたか
- やる気がでてますね。アイデアが魅力的であったが、どうしてもどうでもいい部分をつくらなければならなくて、どうでもいい部分はつくっちまって(?)
- 大学は
- 着任したばかりで、4月、5月は暇なんじゃないかと考えていた
- Winnyの開発スケジュールは
- つくるのは2、3週間で、テストもあるので1ヶ月だと。1ヶ月でβ版をリリースして、1ヶ月検証テストを行おうと。その後は開発をやめてしまおうと思っていた
- それはなぜか
- 私も仕事がありますので
- 2ヶ月経った以降も続けたが
- テストはやってみないとわからない。実際にテストするとトラブルの連続で対応しなければならなかった。また、つくっている間に新しいアイデアが出てくる
- 258番目の書き込み「とりあえず隣のクライアントへのファイル検索機能まではできた。」
- 432番めの書き込み「詳細設計」について
- こういうふうに進行状況を報告していたのは
- みんなに話をきいてもらえないとやる気がでないということも。また、報告して、みんなに検証してもらう、たたいてもらうという思いも
- β版を公開したのは、5月6日。667番目の書き込み「テスト不足かもしれない」
- ※これは、次のWebページを前提とします。
- テストはいつごろから
- 内部テストは一番はじめから、繰り返し行っていた
- 内部テストは最初から
- やるべきですし、みんなに使ってもらえないだけですし
- β版を公開したのは
- こっから先は外部テストでやるべきかなという判断があったので
- 47というハンドルネームは、なりすましがいたか
- 非常にたくさんいました
- 287番目の書き込み、4月4日午後5時「・・・ごめん。もうこれしか言えない。もう来ないけどいいよね・・? さようなら」
- ※これと次の310番目の書き込みの件は、次のWebページを前提とします。
- これはあなたの書き込みですか
- 違いますね
- なりすましは第一スレッドからいたんですね
- はい
- 310番目「本物と思われる人です」
- たぶん私です
- 偽者があらわれたという認識はあったか
- はい
- 問題には思わなかったか
- 問題といえば問題ですが、まあ2ちゃんねるとは、そういうところなので
- 開発途中で、WinMXとの比較をしていたのは
- 当時デファクトスタンダードだったので、みんなにはわかりやすいかなと思って
- Freenetとの比較は
- (検察官から)どれを指しているのか、特定すべき
- (弁護人から)あとで示す
- (裁判長から)そしたら、とりあえずどうぞ
- (弁護人(特に注記がなければ、以下同じ))WinMXのかわりになるものをつくろうという意識は
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))ないです
- 開発をはじめた後で逮捕されたり、刑事責任を問われるという認識はあったか
- 問題ない範囲でやっていると考えていた
- 5月6日にβ版をリリースして、ダウンロード板で反響はあったか
- 思ったよりテストしてもらえた
- 順調だったのか
- 全然動かなかった
- いろいろと問題があったのか
- その都度対処した
- システムに対する攻撃はあったか
- 開発後半になってくるとあった
- たとえば
- ゴミによる飽和攻撃
- 問題への対処をして、安定した状態になると、新しい機能を追加し、それによって問題が発生するので対処して、また、安定し、アイデアを思いついて、また追加といった感じ(?)
- 新しい機能とは
- 自動ダウンロード機能や、クラスタリング、BBSなんかも
- 検察官が主張していたダウンロード枠増加機能は
- 全体の効率調整であって、大きな機能ではない
- バージョンアップに関しては報告している。甲88号証バージョンアップ一覧表。これはあなたの書き込みか
- 私ではないものもあります
- (裁判長から。この甲88号証については証拠としては)とりあえず採否未了ですので
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))こんなバージョンアップがあるはずだと、みんな好き勝手に書き込んでいた
- (弁護人(特に注記がなければ、以下同じ))(ダウンロード板での)報告の意図は
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))テスターさんにテストしてもらうため
- 反応は
- すぐにあった
- 評判がわるいから機能を変えるといったことは
- 結構ありました
- FLMASK事件について、「こちらはソフトをつくっているだけなので警察沙汰にはならないと思います」と書いている。FLMASK事件はいつから知っていたか
- 発生した年に
- 調べたりしたか
- 概要は
- 知った上でWinnyを開発したのか
- そういうことです
- FLMASKと何が違う
- (あの事件は)実際はソフトウェアをつくったことが問題ではない
- 「もう少し名前が出しやすい方向での応用」とは
- ゲームとか3D空間への応用のこと
- 弁17号証、18号証に入っているソフトのことか
- はい
- 雑誌記事などのチェックはしていたか
- 全部はみれませんし。はじめはみてたといえばみてた
- どう思っていたか
- よろしくない紹介で、困ったもんだなと
- 悪用に対して
- やめてほしいとは思っていたが、しょうがないから放置になるんだろうなと
- Winnyでダウンロードはしていたのか
- ダウンロードはたくさんしてますよ
- 何のためか
- テストしないといけませんので
- (公開の)最初から著作権を侵害するようなものがあったか
- 最初は小さいファイルしかダウンロードできない。効率性向上にともない大きいファイルがダウンロードできるようになった
- 著作権を侵害するようなものが増えたなあと感じたのは
- Winny1の開発後半から。平成14年の秋から冬にかけて。比較的よろしくないファイルが
- 効率があがったからか
- 雑誌で煽りがあった。また、WinMXの2.6のサーバが停止したという事情があった
- 甲119号証。メールで「想像以上」と書いている。「想像以上」とはどういう意味か
- 広まるとは思っていなかった
- 対策は考えたか
- 違法な著作物の流通であっても、お金がとれれば問題ないわけですから、課金のシステムを研究した
- スレッドにも書き込んだのか
- はい。アイデアを出して、みんなに検討してもらった。課金システムやコンテンツ配信など、できるだけ前向きに発展させたいと考えた
- トリップをつけて書き込みしたことは
- 何度か
- トリップをつけるのは
- どちらかというと正確な書き込みをするため
- ついていないのは
- 2ちゃんねるですから、適当ということも
- 480から482までの書き込みについて
- ※これは、次の書き込みのことのようです。
480 名前:47 ◆KbtLZwerNc 投稿日:02/10/03 13:10
FreenetとWinnyが新聞に載ったことですし、なんでこんなアプリを作っているか少し書いておきます。一言で言えば「Freenetの時代が来るぞという啓蒙」です。
実は私は正確には47ではなく40(初発言は、MXの次はFreenetだろうとの一言)だったりしますが、Freenetの概念(匿名性実現)は今後非常に重要になるだろうと思ってます。暗号技術と同じです。デジタルコピーを防ぐ技術よりも匿名性を実現するシステムの方が実現が容易だということでもあります。
もちろんFreenet(の概念に基づくシステム)が使い物になるのか?という懸念はありましたので、これを確認するため使い物になるFreenetを目指して作ったのがWinnyだったりするわけです。WinnyではWinMXの後継という役割はおまけです。広まらないと意味無いんでMXの名を借りてるだけです。
ここで注意ですが、私はソフトウェアはタダであるべきとか、音楽その他の著作物が全てPDSであるべき(=クリエータただ働きすべき)と考えているわけではありません。Freenetの作者のように個人の自由な発言権利がどーのこーのいう気もありません。
言いたいことは、何でもかんでもデジタル化して遠隔地に無劣化コピーできるこの時代、今の著作物に対する課金システムはもう古いんではないのか?ということです。
481 名前:47 ◆KbtLZwerNc 投稿日:02/10/03 13:10
物の流通と違い、デジタルデータに関してはこれからの時代、流通コストが限りなくゼロになっていきます。となると、ユーザーはクリエータに直接お金を払うべきであって運送屋やCD屋、パッケージ屋、複製製作者などにお金を払う必要はないはずです。流通コストがゼロにできるのであれば、それらは中間マージンであって無くてもいいもののはずです。それら仲介でお金を取るのは搾取でしかありません。
ここで、どんなにコピーし放題でも、あたらしいコンテンツだけはクリエーターが作らない限り生まれません。そのため、クリエーターに対して直接お金が払われるようになればソフトはコピーフリーでかまわないはずです。ユーザーがお金を払わないのなら新しいコンテンツが作ってもらえないだけです。つまり、ソフトコンテンツ代は前払いであるべきなのです。
具体的にどうすればいいかですが、たとえばソフトウェアの代金はパッケージソフトでも後払いはやめて前払い基本にする、新機能要望書き込みに課金するなり、フリーで出しといて次回作にカンパを募るなどいろんな手法があるでしょう。カンパの手法では、人気があるフリーソフトが出せれば次回作に対する期待があつまってお金が集まる。これは結果的に後払いと同じなので、中古システムと値崩れ現象がある現状と変わらないと言えばかわらないのかもしれませんが・・・
482 名前:47 ◆KbtLZwerNc 投稿日:02/10/03 13:10
結局言いたいことは、匿名性保持技術の出現により、デジタルコンテンツ流通は必ずパラダイムシフトせざるを得ない状況になるということです。お上の圧力と従来の法・ユーザーのモラルに頼るのも一つの手ですが、このやり方ではせっかくの高速ネットワーク資源が死蔵しますし、匿名性維持技術の発展で違法行為取り締まりのコストが無視できなくなっていきます。
特に日本は家庭向け回線だけ無意味に早くなっているので、世界で最も早くこれが問題化するでしょう。そして時間は後ろには戻りません。とりあえずWinnyもある程度広まったことで、私の当初の目的(Freenet啓蒙)は達成できていて、あとは匿名性などで問題出たら対処ということで基本的に放置になっていくとは思います。が、技術面で興味のある方は今後とも時間を前に進めるのにご協力ください。Ver1.0目指して完成はさせますし、他の人が別のものを作るのも歓迎します。
もちろん、現状で人の著作物を勝手に流通させるのは違法ですので、βテスタの皆さんは、そこを踏み外さない範囲でβテスト参加をお願いします。これはFreenet系P2Pが実用になるのかどうかの実験だということをお忘れなきように。■47氏発言集(手抜き版)から抜粋。発言番号や改行等については、引用者が改変しました。
- 481番目の書き込みについて
- 今でもかわっていない。当時なりに考えて書いた
- 482番目は
- ちょっと書き方が正確ではない
- どのへんが
- 「匿名性保持技術の出現により、デジタルコンテンツ流通は必ずパラダイムシフトせざるを得ない」とは、厳密には流通コストがなくなるということ
- 「もちろん、現状で人の著作物を勝手に流通させるのは違法ですので、βテスタの皆さんは、そこを踏み外さない範囲でβテスト参加をお願いします。これはFreenet系P2Pが実用になるのかどうかの実験だということをお忘れなきように」とは当時の方針か
- 当時というか、ずっとこの方針
- この3つのつながった書き込みは、なぜその時期(※平成14年10月3日)に書いたのか
- その当時、(Winnyに)注目が集まっていたが、どうにかしようよ、違法なことはするな、と。言いたかったことはそれです
- そのあとに課金システムのアイデアを出した
- 解決のひとつの方法として
- このときの開発意欲は
- まとめを書くぐらいだから、やめようと思っている頃。はじめから1ヶ月の予定だったので、そろそろ閉じてもいいかなと
◆ここで一旦終了したが、別の弁護人により若干補足の被告人質問
- (弁護人(特に注記がなければ、以下同じ))捜査官は、「Winnyの開発は著作権法違反を蔓延するため」と主張するが
- (被告人(特に注記がなければ、以下同じ))そのような意図をもっておられるとは気づかなかった
- この書き込みの480から482が言いたかったことか
- はい
- 捜査官は、どうしてそう言うのか
- (こちらから)主張したのに、蔓延させようと解釈しようとした
- ここに書いていることは、蔓延させようということではないということですね
- はい
◆弁護人からの被告人質問はこれで終了。
■今後の予定について
- (検察官から)乙1号証から3号証、5号証、7、8、10、11、13号証については、刑事訴訟法321条1項(2号後段)の規定により、証拠として採用するよう請求します
- (弁護人から)それについては、一度まとめて意見書を提出します
- (検察官から)本日、弁護側は立証計画を明らかにしてくれるとのことだったが
- (弁護人から)学者の意見書を提出するつもりだったが間に合わなかったものもある(?) また、告訴に関する調書の採否(調書を証拠として採用するかどうか)をみてから、立証をどうするか決めたい(??)
- (裁判長から)では、本日はこれまでとします
47氏としての書き込みにはナカナカ興味深いところが多いですね。また、各種調書の任意性に関する争いに関しては、刑事訴訟法上の補足説明もついでに掲載予定としています。いや、ココが今回の傍聴の個人的な山場と思っているものですから。
*1:捜査官
*2:一応、イニシャルにしておきます。
*3:捜査官
*4:刑事訴訟法203条1項 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、『弁解の機会を与え』、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から48時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
*5:刑事訴訟法205条1項 検察官は、第203条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、『弁解の機会を与え』、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。
*7:Nは特定の個人名をあらわすものではありませんけど。ま、一応。
*8:村井純 慶應義塾大学環境情報学部教授。内閣に置かれた高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)の本部員でもあるようですね。