【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/行政法9/行政処分の無効の判断基準に関して

ケースブック行政法 (弘文堂ケースブックシリーズ)に掲載された問いを自分なりにアレンジし、解答案を掲げています。

行政処分
行政処分の無効の判断基準に関しては、重大明白説が通説・判例であるとされてきたが、この理由はどのように考えられるか*1

 行政処分には公定力が一般的に認められていることからも、その処分を信頼した私人に何からの利益が生じ、または、その処分を基礎にした何らかの事実状態が形成されていることが通常である。この場合において、当該処分に対する信頼または処分を基礎に形成された事実状態を保護する必要性は高いと考えられるところである。
 しかし、いくら行政処分の公定力を一般的には認めるとしても、処分の瑕疵が重大であるときにまで、それを是正する途を制限すると、法治国原理に反するおそれがある。また、処分の瑕疵が明白であるときは、当該行政処分を保護する必要性は低いといえるはずである。これらのことが、行政処分の無効の判断基準に関して重大明白説が採られる理由であると考えられる。

*1:この解答案は、【情トラ】が作成したものであり、その内容については無保証ですので、ご注意ください。