考えられ得る全ての法令、条例をもって、東横インに対して、今後の判断をしていきたい

 次のWebページから、少々長くなりますが、関心がある部分を抜粋。
横浜市長定例記者会見質疑要旨(平成18年2月2日)

  • 記者:
    • 先週金曜日、大手ビジネスホテルチェーン東横インの不正改造が発覚しました。横浜市にも9棟あり、(その中の)1棟は工事中です。(残りの)8棟のうち5棟については、駐車場条例や建築基準法の違反が明らかになったわけですが、これについて所感を伺います。
  • 市長:
    • まず申しあげたいのは、「あのようなホテルは利用しないでいただきたい」ということです。横浜に観光で来られる方、ビジネスで訪ねられる方は東横インを利用しないでいただきたいと思います。あれほど法令違反、条例違反を繰り返しているホテルに関して、当然ですが、我々は、憤りを覚えています。社会の秩序、公正なる競争、さらには人権問題、こういったことを踏みにじるホテルでありますから、(利用者がきちんと見極めて利用するべきです)。率直にそう思います。
  • 記者:
    • 8棟の中の2棟については、市が既に平成3年に行政指導を行い、2棟のうちの1棟については、さらに平成8年にも行政指導を行ったのに、改善されなかったということです。第一義的にはホテルの責任であると思うのですが、行政指導を15年間も続けながら、「放置した」と言えば言葉が悪いかもしれませんが、結局、放置された状態になっていたということに関して、どのようにお考えですか。
  • 市長:
    • 今後、こうした案件について、より厳しい姿勢で臨んでいくことが、いよいよ必要になってきていると思います。つまり、命令を出す、罰則を厳格に当てはめるなど、そうしたことが必要になると思います。指導に対して真面目に対応してくれるところもあります。そういう意味では、そうした対応が今後、必要になると思います。
  • 記者:
    • 命令を出すタイミングを迅速に行うなどということになるのでしょうか。
  • 市長:
    • そうです。
  • 記者:
    • 罰則を厳格に当てはめるといったお話がありましたが、今回の件において、東横インに対して、今後、市が出来る範囲の罰則について、これを当てはめようとか、より迅速に対応していこうといった、個別具体的なお考えがあれば聞かせてください。(略)
  • 市長:
    • (略)(東横インへの罰則適用の具体的考え)については、現在、横浜市としては、関係局すべてに、徹底して検査等を行うように指示しています。まちづくり調整局は言うに及ばず、食品衛生法(を管轄する)衛生局もそうですし、消防局もそうです。その他、いくつも関係する局があります。要するに、あのような思考回路で、図面も2つ作っている訳で、確信犯的というより、(全く悪いと思っていない)確信犯といえますね。そうしたことを考えても、あの社長の会見を見ても、端から世の中をなめくさっているわけですね。そうした思考回路は、おそらく、あのホテルの経営の隅々まで行き渡っています。ですから、そうした意味では、横浜市として考えられ得る全ての検査を行い、そして、考えられ得る全ての法令、条例をもって、東横インに対して、今後の判断をしていきたい。それについても、現在研究しているところです。
  • 記者:
    • 必要に応じてという話がありましたが、現在、必要があるとお考えですか。
  • 市長:
    • 現在、まだ(事態が)動いている最中です。全容をまとめ、その上で要望等を行うというような(全体的な)まとまりを、今のところ、まだ持ちえていないというところです。
  • 記者:
    • 一段落した上で、必要があれば、改めてそうしたことを発するかもしれない(ということですか)。
  • 市長:
    • そうです。
  • (略)
  • 記者:
    • 命令を出すタイミングを迅速にしていくという話があったかと思います。これまでは、指導を中心に行ってきて、命令はわりと後のほうで出されていました。事ここに至って、振り返ってみて、指導を中心に行っていくということ自体が不十分だったとお考えなのか。そして、今後命令を出す、迅速に出していくということについて、どの程度行っていくのかという、市の具体的なお考えのようなものがあれば、もう少し詳しくお聞かせください。
  • 市長:
    • 先ほども申しあげたように、どの程度まで行うかについては、現在研究をしています。法令、条例などを動員し、我々としてどのように行えるかを検討しています。やはり、ここまで会社ぐるみ、確信犯の悪質事例を想定して、個々の法律・条例ができているとも思えません。むしろある種の善意に立ってできていると思います。そうした意味では、個々の罰則というのは、一つ一つを見れば、「これだけ払えば済まされるのか」というようなものもあります。しかし、会社ぐるみ、確信犯としてこれを行っているわけですから、我々として、そうしたことに対応できる方策はないか、ということを検討しているわけです。
  • (略)
  • 記者:
    • 対応できる方策がないか検討している、というのは、現在の東横インに対して、是正命令に応じなかった場合ということでしょうか。
  • 市長:
    • 応じる、応じないに係らず、現時点で、横浜市として、東横インに対して、方策を探しているということです。
  • 記者:
    • 是正命令以外も含めてですか。
  • 市長:
    • 罰金など、どれをどのように当てはめていくか、また全体としてつなぎ合わせていくか、ということなどについて、どこまで出来るかと言うことです。出来ないかもしれません。ですが、非常に悪質な、会社ぐるみの確信的犯行ということに対して、対抗策を考えているということです。


■以上の会見内容をふまえ、次に掲げる問いについて考察せよ*1

  1. 横浜市としては、関係局すべてに、徹底して検査等を行うように指示しています」とあるが、どのような検査等が考えられるのか。
  2. 「考えられ得る全ての法令、条例をもって、東横インに対して、今後の判断をしていきたい」、そして、「罰金など、どれをどのように当てはめていくか、また全体としてつなぎ合わせていくか、ということなどについて、どこまで出来るかと言うことです。出来ないかもしれません。ですが、(略)、対抗策を考えている」とあるが、どのような対応策が考えられるのか。

【参考として(当然ながら関係がないものが含まれている可能性もありますし、また、ここに掲げていない法令、条例等で関係があるものがありうるとも考えられます。)】

*1:後日エントリを改めて考察してみる予定。