中国の立法プロセスにおけるパブリックコメント

 2006年3月20日、「中華人民共和国労働契約法(草案)」が、全国人民代表大会常務委員弁公庁より公表され、4月20日までの1ヶ月にわたり一般からの意見聴取がなされた。本草案は、既存の「中華人民共和国労働法」のうち労働契約に関する第3章を単独立法化するもので、その内容が中国の全ての企業や労働者の利益に大きく影響することからパブリックコメントの募集が行われたのである。

 かつての中国では立法作業は秘密裏に進められたものだが、近年では法案を公表してパブリックコメントの募集を行うケースも多い。草案は広範な人々の関心を集め、最初の1週間に5千通、次の10日間に計3万7千通と、寄せられる意見の数が急増し、最終的には合計約19万2千通という異例の多さとなった。しかもその3分の2が労働者側からの意見であったという。中国の立法プロセスが大きく変化しており、時には(日本以上に)オープンかつ熱気を帯びて行われる事実が注目される。
martindale.jp から,一部を編集等したうえで引用

 中華人民共和国におけるパブリックコメントの実施状況。この「中華人民共和国労働契約法(草案)」のケースは,ある意味,非常に特殊なケースなのかもしれませんが,「(日本以上に)オープンかつ熱気を帯びて行われる」ことには,関心を抱かずにはいられない。