パブリックコメント・カレンダー090111

 商店街を巡る事業環境が厳しさを増し、商店街の停滞・衰退傾向に歯止めがかからない状況となって久しい。我が国の総人口が減尐に転ずる一方、大型店の郊外での積極的出店等により一人当たり売場面積は増加し、また、インターネット販売や産地直送など購買者の選択範囲が地理的、空間的に拡大するなど、小売業全体の競争が激化しており、購買者の需要を十分に満たせない商業者は集客力が低下している。この中において、商店街やこれを構成する店舗は総じて务勢に立たされ、商店街自らが再生、活性化に向けて活路を見出し、変革を目指さなければその存立も危ぶまれる状況にある。
 商店街が変革を目指す上で、商店街でなければなし得ない、地域社会に密着した商店街特有の役割・機能があることに思いを致すべきではないか。今日、尐子高齢化、女性の社会進出等が進む中、高齢者や子育て家族に対する支援の充実や、防災・防犯、環境保全など、地域社会における生活環境の維持・向上等に向けた取組みの必要性についての認識が高まりつつある。また、社会の成熟化も背景として、人々の地域コミュニティへの意識・関心も高まり、祭りや郷土芸能等の地域文化の保存・継承や、イベント、地域特産品づくり等の地域活性化の取組みも広く見られるところである。
 商店街に対しては、望ましいコミュニティを形成し、地域の魅力を発信する中核としての期待が寄せられているが、これは地域に密着した商店街でなければなし得ない役割・機能であろう。商店街が再生、活性化を目指すに当たっては、このような地域社会からの様々な要請を実現する場として各種の利便を提供する、いわば「地域コミュニティの担い手」としての役割・機能を発揮していくことを、より一層重視すべきである。