地方公務員法22条5項の解釈と運用について(個人的考察として)

 自治政策法務研究室<Blog>のエントリから。

臨時職員の任用については、1年間の任用期間が終了したら、1ヶ月間空けて、改めて任用を行うという手法

については、私は次の理由によるのかな、と考えています。
 すなわち、『地方公務員法22条5項を解釈した結果というよりも、臨時的任用職員に対して、地方公務員等共済組合法(及び地方公務員災害補償法)を適用させないための手法として考えられた結果なのではないか』と思うのですが。
 以下、少々読みづらいかもしれませんが、根拠条文等を掲げておきます。


 地方公務員等共済組合法では、2条1号において、職員の定義を次のように定めています。

※強調は、【情トラ】による。
常時勤務に服することを要する地方公務員(地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第二十七条第二項に規定する休職の処分を受けた者、同法第二十九条第一項に規定する停職の処分を受けた者、法律又は条例の規定により職務に専念する義務を免除された者及び常時勤務に服することを要しない地方公務員のうちその勤務形態が常時勤務に服することを要する地方公務員に準ずる者で政令で定めるものを含むものとする。)をいう。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S37/S37HO152.html

 このうち『常時勤務に服することを要しない地方公務員のうちその勤務形態が常時勤務に服することを要する地方公務員に準ずる者で政令で定めるもの』とは、具体的には、地方公務員等共済組合法施行令2条各号に掲げられる者を示すのですが、そのうち、5号では次のものが掲げられています。

※強調は、【情トラ】による。
常時勤務に服することを要しない地方公務員のうち、総務大臣の定めるところにより、常時勤務に服することを要する地方公務員について定められている勤務時間以上勤務した日(法令の規定により、勤務を要しないこととされ、又は休暇を与えられた日を含む。)が引き続いて十二月を超えるに至つた者で、その超えるに至つた日以後引き続き当該勤務時間により勤務することを要することとされているもの
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S37/S37SE352.html


 これらの規定が意味するところを(、誤解をおそれずに)、簡単に説明しようとすると、次のようにいえるのではないでしょうか。

 地方公務員に適用される共済組合制度等は、臨時的任用職員であっても、「(ア)常勤職員の勤務時間以上で勤務した日が18日((?) ※18日かどうかは、きちんと確認していません。私のうろ覚えの記憶による数字です。)以上ある月が、引き続き12月を超えるに至り」、さらに、「(イ)その超えるに至った日以降も引き続いて常勤職員の勤務時間以上で勤務する場合」には、その適用の対象となる。

 したがって、1月の空白期間を設ける理由とは、「常勤職員と同じだけの時間を月18日(?)以上勤務することが12月を超えるに至っても、なお引き続いて同様に勤務し続けると、たとえ臨時職員であっても、地方公務員共済組合制度が適用されることになるので、『(ア)引き続き12月を超えるに至る』ことを避けるために、12月に至った時点で、一旦、1ヶ月の空白をつくり、13月目も月18日(?)以上勤務することを避けるためなのではないか」と、個人的には考えているところです(勿論「地公法22条5項」の規定からも、この「12月」が問題となりますし。)。
 ただし、この空白が1ヶ月間必要なのかどうかは、現時点の私にとっては、明確な答えが出せません。あくまで規定上は、「(ア)常時勤務に服することを要する地方公務員について定められている勤務時間以上勤務した日が引き続いて12月を超えるに至った者で、(イ)その超えるに至った日以後引き続き当該勤務時間により勤務することを要することとされているもの」が、共済組合制度等の適用対象となるとされているので、これをどう解釈するかによって、様々に考えられるような気がします。たとえば、

1年間の任用期間が終了しても、自治体のみならず国の行政機関においても、1日だけ空白期間を作って、改めて任用をしている例が、かなりある

とのことですが、この場合、共済組合制度等の適用をしているとまでは(私個人としては)あまり考えられないので、「1日でも空白を入れることで、『(イ)引き続き勤務することを要することとされているもの』に該当しない」と解しているのかな、とも思います(が、あくまで想像でしかありません。)。


 1ヶ月の空白を入れれば、「13月目が空白なんだから、『(ア)引き続き12月を超えるに至』るに該当しない」と解すことができそうな気もします。
 また、1日の空白があれば、「月18日(?)以上勤務は、『(ア)12月を超えるに至』るに該当するかもしれないが、実際問題として、1日であれ空白を入れているんだから『(ア)引き続き』ではない」と解すことができるのかもしれませんし、そうでないのかもしれません。
 そもそも、地方公務員法22条5項は、「臨時的任用は、六月をこえない期間で更新することができるが、再度更新することはできない」という旨を定めているのですから、1ヶ月の空白であろうと、1日の空白であろうと、何ら問題がないというわけにはいかないようにも思いますし。


 と、まぁ、ここまでツラツラと書き連ねてみましたが、全ては私の個人的な見解であって、特に何かを参照してまとめたものというコトではありませんので、その旨ご注意ください。