憲法判例百選Ⅰ[第5版]掲載判例関連書籍

 憲法判例百選Ⅰ[第5版](別冊ジュリスト No.186)に掲載されている判例において問題となった書籍等を,参考のため掲げておくことに。


57 わいせつ文書の頒布禁止と表現の自由−チャタレイ事件(最高裁昭和32年3月13日大法廷判決)

完訳チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)

完訳チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)

※「約80ページ分の削除箇所を完全復活」とのこと。


58 わいせつの概念−「悪徳の栄え」事件(最高裁昭和44年10月15日大法廷判決)

※「無削除版、精緻な解題とともに、ここに完全復活」とのこと。


59 わいせつの概念の再構築−「四畳半襖の下張」事件(最高裁昭和55年11月28日第二小法廷判決)

永井荷風「四畳半襖の下張」惣ざらえ

永井荷風「四畳半襖の下張」惣ざらえ

※「『四畳半襖の下張』の本文と、わいせつ本として刑事事件に発展するまでの経緯をまとめ」たものとのこと。


67 プライバシーと表現の自由−「宴のあと」事件(東京地裁昭和39年9月28日判決)

宴のあと (新潮文庫)

宴のあと (新潮文庫)


68 ノンフィクションと前科の公表−ノンフィクション「逆転」事件(最高裁平成6年2月8日第三小法廷判決)

逆転―アメリカ支配下・沖縄の陪審裁判 (岩波現代文庫)

逆転―アメリカ支配下・沖縄の陪審裁判 (岩波現代文庫)

※本件で原告となった者の氏名表記は,仮名表記になっていることのこと。


69 プライバシー侵害と表現の自由−「石に泳ぐ魚」事件(最高裁平成14年9月24日第三小法廷判決)

石に泳ぐ魚

石に泳ぐ魚

※「裁判により出版差止になった作品の『改訂版』」とのこと。


76 公立図書館の蔵書と著作者の表現の自由最高裁平成17年7月14日)

※本件の107冊については,省略*1


96 教科書検定(1)−第2次家永教科書事件1審(東京地裁昭和45年7月17日判決) 及び 97 教科書検定(2)−第1次家永教科書事件上告審(最高裁平成5年3月16日第三小法廷判決)

検定不合格日本史

検定不合格日本史

※昭和31年に,文部省に高等学校用教科書として発行するために検定申請用として提出され,翌年不合格処分を受けた原稿の全体を写真複製したものとのこと。したがって,百選掲載の判例において対象とされたものではない模様。

*1:あまりに多いので。