the Constitution of Japan

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法・行政法12

労働者災害補償保険法第12条の8第2項及び第16条の2第1項に基づく遺族補償年金の受給権者であるXは、この学資を支弁するために、同法第29条第1項第2号に定める労災就学援護費の支給を申請したが、労働基準監督署長Yは、当該子の入学したのが外国の大…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法・行政法11

XはAと売買契約を締結し土地甲を買い受けたが、所有権移転登記を行わなかった。Y税務署長は、甲地の所有者がXであることを知りつつ、登記名義人Aの国税滞納を理由にA所有名義の土地甲を差押え、公売処分に付して、Zに売却し、Zは所有権移転登記を行…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法10

内閣はA国と国際的テロリストの捜査に関する条約を締結した。その条約の1箇条は、一方当事国が、国際テロリストの疑いがある人物を記載した名簿を他方当事国に通知した場合、他方当事国は当該名簿に登載されている者でその管轄内に所在している者の通信を…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法9

日本道路公団総裁の任免権は国土交通大臣が有するところ、現在の総裁Aが、道路公団を民営化するという内閣の基本方針に協力的でなく、国会に対して虚偽の報告を行うなどの職務上の義務違反があるとして、内閣総理大臣Bが国土交通大臣Cに対して総裁Aの解…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法8

人事院と憲法第65条との関係について説明しなさい。 また、国家公務員法の人事院に関する規定を次のように改めるとする。各々の場合における憲法上の問題点について説明しなさい*1。 (ア)人事官の任期を10年とし、再任を認めない。 (イ)人事院総裁が、人事院…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法7

「内閣の統括の下に置かれる国の行政機関は、省、委員会及び庁とし、その設置及び廃止は、政令の定めるところによる」という趣旨の法律を定めたと仮定する。この法律に含まれる憲法上の問題点について検討しなさい*1。 summary 【1】内閣の組織及び行政機関…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法6

経済産業省は、IT社会を実現する上で、情報セキュリティの確保を図ることが不可欠であると判断し、優れた情報セキュリティ技術の開発プロジェクトに補助金を支出する方針を決めた。そこで、同省は「21世紀情報セキュリティ推進計画」を策定し、関連予算を…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法5

A内閣は、参議院において与野党が逆転している状況で苦しい政権運営を行ってきた。しかし、A内閣が予算案を提出したところ、衆議院では可決されたものの、参議院においては、A総理大臣の答弁をめぐって議事が紛糾し、結果的に予算案が否決されただけでは…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法4

国会が「国権の最高機関」であることと、内閣が「国務の総理」を行うことの関係について、整理しなさい*1。 summary 【1】従来からの権力分立原理を基にした国会と内閣の関係 (1)憲法41条は、国会が「国権の最高機関」と定める。 ①立法権と行政権は抑制均衡…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法3

政党が民主政治において重要な役割を果たしていることにかんがみ、政党助成金の交付を受けるためには「党首を党員の選挙によって選出しなければならない」との条件を法律で定めたと仮定する。この法律の合憲性について論ぜよ*1。 summary 【1】政党の結社の…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法2

①小選挙区制、②中選挙区制、③比例代表制について、それぞれの長所及び短所をまとめよ*1。 summary 【1】代表の意義 「国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」(憲法前文) 「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する…

【おべんきょ情トラ】身につくロースクール/憲法1

「国会は、必要があると認めるときは、議決により法律案を国民投票に付することができる。その場合、投票の過半数の賛成があるときは、右法律案は法律として成立する。」という趣旨の法律が制定されたと仮定する。この法律に含まれている憲法上の問題点につ…

幸福追求権

ハンセン病*1訴訟(一部、かなりの改変アリ) ■居住・移転の自由の意義とその制限 憲法22条1項*2の保障する居住・移転の自由は、経済的自由の一環をなすものであるとともに、奴隷的拘束等の禁止を定めた憲法18条*3よりも広い意味での人身の自由としての側面…

人権の私人間効力/国の私法上の行為による基本権の侵害

三菱樹脂事件(一部、かなりの改変アリ) ■国と個人の関係を規律する基本権規定 (憲法19条*1、14条1項*2の)各規定は、同法第3章のその他の自由権的基本権の保障規定と同じく、国または公共団体の統治行動に対して個人の基本的自由と平等を保障する目的に…

基本権の享有主体

マクリーン事件(一部、かなりの改変アリ) ■外国人の入国の自由 憲法22条1項*1は、日本国内における居住・移転の自由を保障する旨を規定するにとどまり、外国人がわが国に入国することについては何も規定していない。このことは、国際慣習法上、国家は外国…

国会

総説 そもそも何らかの機関について検討する際には、「その組織がどのようにして成り立っているか」、そして「どういう権限があるのか」、さらに「その権限をどういう手続で行使しているのか」について、すべてをセットで考える必要がある。特に国会に関して…

天皇

国家的象徴 「象徴」とは、抽象的な観念を具体的に示す存在のことであり、「象徴」規定(憲法1条*1)がもつ法制上の効果は、天皇が「日本国」「日本国統合」の象徴とされるという社会心理を維持する旨の宣言であって、「象徴」とされること自体に具体的な権…

議院内閣制

議院内閣制論の位相 伝統的な統治機構類型においては、権力分立モデルによる機関間関係をみる。この場合における機関間関係は、組織上の関係および権限上の関係という2つの側面がある。まず、厳格な権力分立の原理にたつのが「大統領制」。組織上では議会と…

選挙制度

「選挙」とは「多数人が合同して公職就任者を選任する行為」であり、「選挙権」とは「その選挙に参加し得る資格」をいう。この選挙権については、これを個々人が参加し得る個人的な権利だという説があるが、個人的な権利を行使した結果、公職就任者を選任す…

政党

政党の意義と根拠 政党とは、政治権力の獲得・維持を目的として国家意思形成に影響を与える国政議会議員と協働するところの団体をいう。また、法律で定義されている場合もあり、政治資金規正法(昭和23年法律第194号)では、次のとおり定められている。 第3…

半直接民主制

代表民主制の構造 「代表民主制」とは、「代表制」と「民主制」という2つの原理を単にプラスしたものではなく、逆に対立することもある概念。両者のいずれかを強調することにより、多様性をもつという構造を有する。 「直接民主制」とは「代表制」原理を否…

平和主義

第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない…

現行憲法の基本原理

現行憲法の特質 基本原理については、憲法前文から抽出するか、憲法典全体から抽出するかという考え方がある。さらに、後者には、明治憲法との比較(「国民主権−天皇主権」、「人権尊重−人権概念の不十分」、「平和主義−なし」)によるものと、外国憲法との…

日本国憲法成立の法理

日本国憲法は、天皇が明治憲法73条による「帝国議会の議決を経た帝国憲法の改正を裁可し」たものであるため、形式的には欽定憲法であるが、実質的には民定憲法であることがその前文にも明らかにされている。そこで、天皇主権を定める明治憲法が国民主権を定…

明治憲法

明治国家の課題として近代的な国家建設があり、その要件としては、中央権力が確立しているという「統一」、関税自主権がなく、領事裁判権が認められていた不平等条約の改正を行う「独立」、そして権力分立により、国民の権利・自由を守るという憲法典をつく…

立憲主義

立憲主義とは、人民支配を政府の恣意にゆだねず、それになんらかの抑制をもうける体制である。政府に対する抑制として、近代以降の立憲主義に共通してみられるのは、(1)「法による行政」の原理と、(2)「責任政治」の原理である。 「法による行政」とは…